米動画配信大手ネットフリックスは25日、2026年3月に開催される野球の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本での独占放送権を獲得したと発表した。
ネットフリックスが全47試合をライブとオンデマンドで独占配信し、地上波テレビ局は放送権を持たないため、通常のテレビ放送は行われない見通しだ。
第1次ラウンド東京プールを主催する読売新聞は26日、声明で「前回2023年のWBC1次ラウンド東京プールの試合中継は、WBCIが当社を通じ、国内の複数の民間放送局及び海外の配信事業者に放送・配信権を付与し、地上波の番組での生中継を実現した。しかし、本大会では、WBCIが当社を通さずに直接Netflixに対し、東京プールを含む全試合について、日本国内での放送・配信権を付与した」と発表した。
NHK及び民間放送各局は、報道目的での試合映像は放映できるため、テレビニュースでは従来どおり試合のハイライトが閲覧できるとしている。
放送権料が高騰 国内テレビ局手届かず
前回の2023年大会はテレビの地上波と「プライムビデオ」のネット配信で中継していた。
地上波では、日米の決勝の平均世帯視聴率が42.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、異例の数値を記録。日本戦全7試合は平均世帯視聴率で40%超の高視聴率を叩き出した。このため、放送権料が大幅に高騰したとみられる。
WBC放送権料の高騰を受け、国内のテレビ局よりも資金力が潤沢なNetflixが大会の独占生配信を手掛けることになった。
WBC放送権料は年々高騰しており、無料で放映する地上波テレビ局にとって採算が取りづらい状況であり、その点、サブスクリプション型(サブスク)で潤沢な資金を持つNetflixは投資できるため、権利を獲得できたと考えられる。
近年、動画配信サービスはスポーツ中継に力を入れ始め、会員数を増やしている。サッカーや野球の試合をネットで配信する事業者が次々と参入しており、JリーグやWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の配信権をめぐって激しい競争が繰り広げられている。
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