金価格 初の1万8千円超え 背景に利下げ観測と中東情勢

2025/09/01 更新: 2025/09/01

9月1日午後2時、田中貴金属工業は店頭販売価格を1グラムあたり 1万8123円 に更新した。店頭買取価格は 1万7932円 である。国内小売価格として初めて1万8千円の大台を突破した。過去最高値を更新した。

金価格急騰の要因は複合的だ。まず、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まっていることが大きい。金は利息を生まない資産だが利下げにより、投資魅力が高まり、需要が急増している。また、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの増大が、「安全資産」としての金の価値を一層押し上げている。金は経済や政治的不安定時に価値保存の手段として選好される傾向が強い。

金はインフレ対策や資産保全の有力な手段とされ、特に現在の経済環境下で需要のさらなる拡大が予想される。一方、宝飾品業界や工業用途での金需要には、価格高騰による影響が及ぶ可能性も指摘されている。

専門家の間では、金価格が当面高値を維持するとの見方が強い。FRBの金融政策や地政学的動向次第では、さらなる価格上昇の可能性も否定できない。ただし、市場の変動リスクも存在するため、投資家には慎重な判断が求められる。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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