鈴木馨祐(すずき けいすけ)法相は9月5日、自民党総裁選の前倒しを求める考えを自身のブログで明らかにした。現職閣僚による前倒し要求は初めて。
鈴木氏は、ブログで「党則に基づく臨時総裁選の実施を求める書面に署名し、提出することとした」と記した。
総裁選の前倒しを求める理由について、7月の参院選で自民党が大敗し、与党が衆参両院で過半数を割る結果となったことを受け、「政治が停滞することは許されない。自民党への信頼回復のためにも党が一致結束してゼロから出直すことが必要だ」との認識を示した。
現状について、鈴木氏は「両院で過半数に満たない状況で与党として政策を前に進めることは現実的に極めて困難」と述べた。
「党として連立の枠組みをどうしていくのか、あるいは国民から信任されなかったことを真摯に受け止め下野し野党として出直すのか、こうしたことを実直に議論する必要がある」と語った。
鈴木氏は自民党麻生派に所属する。麻生太郎党最高顧問も3日の会合で、前倒しを支持すると表明していた。
現役閣僚が前倒しを要求したことは、当面続投を表明している石破首相にとって痛手となる。閣内では、前倒し論をけん制する見方が根強い。
5日、平デジタル相は、前倒しに賛成の麻生最高顧問を念頭に、「派閥を残した人達が流れを作るのは自民党が先祖返りしてしまう」と苦言を呈した。
岩屋毅議員は「国難ともいうべき状況の中で外交にも政治にも空白が生じてはならない」と述べ、「石破総理のもとに一致団結して難局を乗り越えることが大切だ」と総裁選への前倒しに賛成しない意向を示している。
中谷防衛相も「現時点で行うべきでもないし、行う必要もない」と述べ、厳しい国際情勢の中、「『政局は水際まで』と言われる」と強調した。
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