トランプ大統領 チャーリー・カーク氏の銃撃犯「必ず突き止める」と表明

2025/09/11 更新: 2025/09/22

トランプ米大統領は10日、アメリカの保守系団体「ターニング・ポイントUSA」代表、チャーリー・カーク氏を銃殺した事件の犯人を特定することを自らの政権の責務として遂行すると表明した。

トランプ大統領は全国向け演説の中で、今回の襲撃に対して「深い悲しみと怒りに満ちている」と語った。

トランプ氏は、「我が政権は、この凶行およびその他の政治的暴力に関与したすべての者を、資金提供や支援を行う組織に至るまで、さらに我が国の秩序を守る裁判官や法執行官、その他の関係者を標的とする者をも含め、必ずや突き止める」と述べた。

犯人は、10日の米ユタ州での集会でカーク氏に致命傷を負わせた後、依然逃走中である。事件をめぐり参考人2人を拘束していたが、取り調べの後に釈放した。

トランプ氏はさらに、「過激かつ政治的な暴力は、あまりにも多くの無辜の命を奪い、多数の人々を傷つけてきた」と述べた。

「今宵、私はすべてのアメリカ国民に、チャーリー・カークが生涯をかけて守り抜き、命を賭したアメリカの価値観、つまり言論の自由や市民の権利、法の支配、そして愛国心と神への奉仕に心を捧げることを求める。チャーリーはアメリカの理想の体現者であり、彼を襲った怪物は我が国そのものを攻撃していたのだ」とも語った。

ユタ州のスペンサー・コックス知事は10日の記者会見において、今回の事件を政治的動機によるものと断定し、「政治的暗殺であることを明言したい」と述べた。

銃撃事件

事件当時、カーク氏はユタ州のユタバレー大学で行われたイベントにおいて、テントの下で観客からの質問に答えていた。銃撃が起きた際、カーク氏はアメリカ国内の銃暴力について議論していた。

マイクを手にした若者がカーク氏に質問した。「過去10年間にアメリカで発生した大量銃撃事件の数をご存知ですか?」

これに対しカーク氏は「ギャングの暴力を含めますか、それとも含めませんか」と応じた。

マイクを下ろした直後、銃声が響き、カーク氏は意識を失った。映像にはカーク氏の首から血が流れる様子が映し出されている。

観衆は事態を察し、現場には混乱が生じた。悲鳴や叫び声が響き、多くの人々が地面に伏せ、逃げ惑った。テーブル付近にいたスタッフは直ちにカーク氏のもとに駆け寄った。

犯人は逃走中

カシュ・パテルFBI長官は、事件をめぐり参考人2人を拘束していたが、取り調べの後に釈放したと発表した。犯人は現在逃走中である。

FBIソルトレイクシティ支局は事件に関する情報提供のためのホットラインを設置しており、当局は今回の事件は単独犯の可能性が高いとみている。

ユタ州公共安全局のボー・メイソン委員は、容疑者は「全身黒ずくめの服装」であり、その他の特徴は明らかでないという。犯人は離れたところから射撃したとみており、「向いの建物の屋上からの発射の可能性もある」と説明した。

ユタバレー大学のウェブサイト上の告知では、キャンパスは9月14日まで閉鎖し、すべての授業、イベント、行政業務は同日まで中止するとしている。キャンパス内の人々には「警察官が安全に誘導するまで、所定の場所で身を守るよう」指示を出した。

追悼の意

チャーリー・カーク氏は2012年の「ターニング・ポイントUSA」創設以来、同団体を率いてきた保守系政治活動家であり、彼の死に対し追悼の声が相次いでいる。

トランプ大統領は自身のSNS「トゥルースソーシャル」で、カーク氏を「偉大なるアメリカの愛国者」と讃え、全米の旗を半旗で掲揚するよう命じたことを発表した。

ヴァンス副大統領はXで、「主よ、彼に永遠の安らぎをお与えください」と記した。

ユタ州のスペンサー・コックス知事は、妻アビー氏と共に「胸が張り裂ける思いである」と述べ、「カーク氏の妻、娘、息子のために祈っている」と表明した。コックス知事もトランプ氏にならい、州内の旗を半旗で掲揚するよう命じた。

ケネディ厚生長官は、カーク氏を「言論の自由のために果敢に闘い続けた勇敢な活動家」と称えた。また、「エリカ夫人と子供たちのために祈る。カーク氏はすでに天使たちとともに天国にいる。我々の国のために、彼の祈りを願う」と述べた。

バラク・オバマ前大統領も、声明で「カーク氏を銃撃した者の動機はまだ明らかではないが、このような卑劣な暴力は我が民主主義にあってはならない。今夜、ミシェルと共にカーク氏の家族、とりわけ妻エリカ氏と幼い二人の子供のために祈る」と述べた。

エポックタイムズ記者。主に議会に関する報道を担当。