中国 中国の屋台経営者が直面する現実──「家賃を払えば即赤字、働いても家族を養うのがやっと」

中国の不況ここまで 「屋台はギリギリ」「店を持てば即破綻」

2025/09/22 更新: 2025/09/25

中国経済の冷え込みは、街角の屋台にまで影を落としている。かつて「最後の生存手段」とされた屋台商売も、いまは厳しい現実に押しつぶされている。

広西省・南寧(なんねい)の焼き鳥屋台の男性は「去年は一晩で千元(約2万円)以上売れたのに、今年はその半分も届かない。夜を徹しても客が一組だけの日もある」と嘆いた。かつて月に3万元(約60万円)を稼げた時期もあったが、今はアルバイト代すら払えないという。

中国人ブロガー「深夜小余(しんや・しょうよ)」は南寧などで屋台経営者を取材し、過酷な実態を記録した。屋台は家賃が不要だから、かろうじて続けられるが、テナントを借りて家賃を払えば赤字は必至で、多くの知人が次々と店をたたんでいる。

ある夫婦は借金して屋台車を買い、夜7時から翌朝6時半まで休みなく働く。「子供も年寄りも養わなければならない。休む余裕などない」と妻は語る。

一方でSNSには「屋台なら月に数十万元(日本円で数百万円以上)稼げる」といった宣伝が飛び交う。しかし現場の経営者たちは「家族を養えれば十分。そんな話は信じない」と口をそろえる。

現場の訴えはネット上でも大きな反響を呼び、「まさに飲食業界の実態だ」「多くの人が借金を抱え、消費に回す金などない」と共感が寄せられた。
 

街角でブロガーの取材に応じ、厳しい現実を語る屋台の経営者たち、中国(映像よりスクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 中国