自民党の高市早苗総裁は10日、党本部で行われた記者会見で「一方的に先方からは連立政権の離脱を伝えられた」と語り、「大変残念な結論になった」と述べた。26年続いた自公連立政権が解消するという異例の事態となった。

自民党・高市早苗総裁が10日、公明党・斉藤鉄夫代表との党首会談を行い、斉藤氏から高市氏に対し連立離脱の方針が伝達されたとされる。

高市氏は、会見で「（今回の会談では）何かを決定するということではなく、地方から聞いた声をお伝えするというのが議題だった」ものの、「公明党から政治資金規正法の改正案についてこの場で賛否を求められた」と語った。

自公で党首会談における議題認識にずれがみられた。

高市氏は、斎藤氏に対し「自民党は党内手続きが必要で、総裁と幹事長だけで判断できる内容ではない」「来週協議したい」と話した。

しかし、斎藤氏から「一方的に先方からは連立政権の離脱を伝えられた」という。高市氏は、「これまで26年間にわたって、野党の時代も含めて協力をし合ってきた関係だけに、大変残念な結論になった」と語った。

斉藤氏は、就任挨拶に訪れた高市氏に対し、「政治とカネ」の問題のけじめと企業・団体献金の規制強化、靖国神社参拝と歴史認識、外国人政策の3点を連立継続の懸念事項として伝達していた。支持母体である創価学会の意向を踏まえたものだ。

自公両党は、靖国参拝と外国人との共生に関しては折り合いがつくものの、「政治とカネ」の問題では合意に至らなかったとされる。

自民公明両党の党首会談終了後、斉藤氏は10日の記者会見で、政治とカネに関する基本姿勢について「自民党の回答は、基本的にこれから回答すると誠に不十分なもので極めて残念だ」と述べ、「自民党の不祥事を国民に説明することには限界がきている」と話した。

公明党は首班指名では斎藤氏に投じるとしている。

党首会談では、高市氏は「総裁が私でなければ、連立から離脱するということはないのか」と尋ねると、斎藤氏から「総裁選挙で誰が選ばれていても同じだ」「支援者の方々も大変疲れておられる」と言われたという。

また、高市氏は「（臨時国会の）召集日まで一生懸命できる限りのことはしたい」と述べた。

1999年以来、26年にわたる自公の連立が幕を下ろすことになった。