香港ウォッチなど25団体 英政府に対中強硬姿勢を要求 「国家安全保障より経済優先」と批判

2025/11/04 更新: 2025/11/04

11月3日、香港ウォッチ(Hong Kong Watch)は24のディアスポラ(越境共同体)団体と連名で、イギリスのキア・スターマー首相に書簡を送付し、中国および香港に関する国家安全保障問題でより強硬な立場を取るようイギリス政府に求めた。

これらの団体は、チベット人、ウイグル人、香港人などのコミュニティを代表して声を上げたものである。

書簡は、イギリス政府の現行の対中戦略に対する懸念を表明し、同戦略が中国との経済関係の深化を過度に優先し、国家安全保障の保護を軽視していると指摘した。特に、中国共産党(中共)スパイ事件の起訴取り下げ、中共がロンドン東部に大使館を建設する計画、そして「外国影響力登録制度(FIRS)」の強化対象に含まれていないことなどを挙げ、イギリス政府の対中戦略が混乱していると批判している。書簡は、イギリス政府に対し、中共がもたらす安全保障上の脅威に対してより強硬な姿勢を取るよう求めた。

この連名書簡は、イギリス国籍のクリストファー・キャッシュ氏とクリストファー・ベリー氏の2人が中共のためにスパイ活動を行った疑いで起訴されたが、最終的に訴追が取り下げられた事件を背景としている。事件後、検事総長、内閣書記官、国家安全保障担当副顧問などの政府高官が国家安全保障戦略合同委員会で証言するよう召喚された。「香港ウォッチ」は、この起訴取り下げがイギリス政府にとって重大なスキャンダルであると指摘し、政府側は訴追の撤回への関与を否定している。

「香港ウォッチ」の後援者であり、イギリス議会人権合同委員会の委員長を務めるリバプールのオールトン卿は次のように述べた。
「今年初め、私が人権合同委員会の超国家的弾圧に関する調査を主宰した際、香港の若い社会運動家たちから、中国が彼らの身の安全を脅かしているという証言を直接聞いた。その中には懸賞金をかけて拉致しようとする脅しも含まれていた。私たちは、経済関係の改善を名目に、イギリス国内のディアスポラが直面している国家安全保障上のリスクを無視するようなことはできない。それは信頼を損ない、無責任な行為である」

連名書簡はイギリス政府に対し「外国影響力登録制度」の強化対象に加えること、そして中共がタワーハムレット地区に計画している巨大大使館の建設申請を承認しないことなどを求めている。

張婷
関連特集: 国際