F-15パイロットの「冷静・厳格」の想い 小泉防衛相が内倉浩昭統合幕僚長の手袋の写真を公開

2025/12/17 更新: 2025/12/17

高市早苗首相の国会答弁を発端とし、日中関係が悪化する中、中国軍機によるレーダー照射事案が国内外の注視を集めている。

そうした中、小泉進次郎防衛相が16日、自身のXアカウントで「冷静・厳格!」と書かれたパイロットの手袋を紹介し、中国軍機によるレーダー照射問題と絡めて大きな反響を呼んだ。

その手袋は内倉浩昭統合幕僚長が約30年前に北海道千歳基地の第2航空団でF15の操縦者として対領空侵犯措置に6年ほどあたっていた際、使用していた手袋だった。

小泉防衛相は16日、Xに「内倉統幕長が先日の記者会見で触れた手袋。実際に統幕長が持ってきてくれました」と投稿し、実物の写真を公開した。 手袋には黒マジックで「冷静・厳格!」と記され、使い込まれた様子がはっきりと写っている。

投稿では、中国軍機による約30分間の断続的なレーダー照射を受けながらも任務を遂行した自衛官について「『冷静』『厳格』を心がけて任務を粛々と遂行した自衛官を改めて誇りに思います」と記し、パイロットへの敬意を強調した。

内倉浩昭統合幕僚長は11日の定例会見で、自身がF-15パイロットとしてレーダー照射を受けた経験に触れ、「飛行中においては、まず手袋に『冷静・厳格』というふうにマジックで書いている」と明かしていた。 離陸のたびにその文字を確認し、「自分の気持ちを整え、『冷静』『厳格』を着意してやっていた」と語り、冷静な対処の重要性を訴えた。

ネット上には「この自衛官のお陰で平和が保たれた事を忘れるな」といった感謝のコメントや「自分の一瞬の判断が何万人の国民の命を左右しかねないと強い責任とプレッシャー故に何時も見える場所に書かれていた」など、当時F-15パイロットだった内倉統合幕僚長にねぎらいのコメントが上がった

中国側がレーダー照射の事実関係や意図をめぐって情報発信を続ける中、小泉防衛相は「問題の本質は、レーダー照射だ」とも述べている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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