米ビザ手続き遅延 アップルなどが社員に渡航自粛呼びかけ

2025/12/24 更新: 2025/12/24

ここ数日、複数の米国テクノロジー大手が、米国就労のビザを保有する社員に対し注意喚起を行っている。在外の米国大使館・領事館におけるビザ手続きの遅延を受け、当面は海外への渡航を控えるよう求める内容だ。ビザが失効し、再入国できなくなる事態を未然に防ぐことが目的とされる。

「ビジネスインサイダー」の報道によると、アップルとグーグルは最近、社員向けに内部メモを配布した。その中で、一部の在外米国大使館・領事館では、ビザ申請の面接予約に「深刻な遅延」が生じており、地域によっては待機期間が最長で1年に達する可能性があると指摘している。

この期間中に社員が出国した場合、ビザの有効期限が切れ、予定どおり米国に再入国できなくなる恐れがある。とりわけ、H-1Bビザ以外で滞在している社員にとっては、リスクがより高いと警告。

H-4やF、J、M各種ビザの保有者も、同様に対象に含まれている。

複数の移民専門の法律事務所も、インドに加え、アイルランドやベトナムなどの国々でも、ビザの面接予約に明らかな遅延が生じていると指摘。

米国務省側は現在、ビザ申請者に対し、これまでより厳格で包括的な情報審査を実施していると説明している。

その内容には、申請者本人および家族の経歴審査が含まれており、特にコンテンツ検閲やサイバーセキュリティ分野の業務に従事した経歴の有無が重点的に確認される。

表現の自由として法的に保護される言論を検閲・取り締まる業務に関与していたと判断された場合、ビザは発給されないとされている。

時事評論家の唐靖遠氏は、「移民審査が大幅に引き締められる中で、ビザの審査も大幅に厳格化されるのは、実のところごく自然な流れだ」と述べ、「最近、米国では立て続けに、死者を伴う深刻なテロ攻撃事件が発生した。これら2人の銃撃犯はいずれも、相応のビザを取得して米国に入国していた」と語った。

「この2件の事件(ワシントンDCとブラウン大学の銃撃事件)は、実際に米国の国家安全保障に極めて大きな負の影響を及ぼした」

また、カリフォルニア州やマサチューセッツ州など計20州は12月12日、トランプ米大統領が連邦政府に対し、H-1Bビザ保有者を雇用する企業から、1人当たり10万ドルの申請手数料を徴収するよう求めた新たな措置について、海外から人材を招致することを定めた連邦議会の決議に違反するとして、提訴に踏み切った。

米連邦地裁のベリル・ハウエル判事は最近、ワシントンDCで開かれた公聴会で2条の連邦法を引用し、大統領は非市民の入国を制限する広範な権限を有していると述べた。さらに、米大統領は外国人の入国経路を規定し、一時的に特定範囲の外国人の入国を制限することもできると示した。

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