中国 街は「生き残る」ために自ら息を止めた。

中国で商売が止まる瞬間 「検査の名」で街が息を止めた【動画あり】

2025/12/28 更新: 2025/12/28

「来るぞ」。

誰がどこから聞きつけたのかは分からない。だが「侵略者が来る」という噂が、店主たちの間を一気に駆け抜けた。

中国・河北省保定市の商業街。次の瞬間、飲食店もコンビニも市場も、シャッターが一斉に下りた。
街は無人になった。残ったのは、閉ざされた店先と不気味な静けさだけだった。

 

シャッターを下ろした商店が並ぶ商業街、2025年12月、河北省保定市(スクリーンショット)

 

現地では12月24日以降、店が一斉に閉店したことで、外食もできず、家で料理をしようにも食材が買えないという困惑が広がった。

「侵略者」の正体は、市場監督当局の検査だ。戦う者はいない。店主たちに迷いはなかった。選択肢は、逃げる一択だった。

理由は単純である。検査に応じた瞬間、問題の有無は意味を失う。なければ探され、見つからなければ作られ、最後は罰金になる。合格か不合格かを決めるのは誰か。分からない。だから閉める。

 

(シャッターを下ろした商店が並ぶ商業街、2025年12月、中国河北省保定市)

 

後日、中国メディアの取材に対し、現地の市場監督管理局は「検査は行っているが、閉店を強制したわけではない」と説明した。

しかし、なぜ商店主たちがここまで一斉にシャッターを下ろす事態になったのかについて、当局は理由を語らない。だが、市民の側はよく知っている。
「年末だし、ボーナスの時期だろう」そう考えれば、なぜ罰金が必要なのかも、なぜ店が消えたのかも、すべて辻褄が合う。

 

シャッターを下ろした商店が並ぶ商業街、2025年12月、河北省保定市。(スクリーンショット)

 

今回だけではない。「侵略者」が来るたび、街は生き残るために自ら息を止めてきた。

2024年、広東省潮州市・汕頭市で消防検査が始まると、店主たちは「略奪者が来たぞ」と声を張り上げ、次々と隣の店に知らせて回った。

知らせを聞いた店主たちは、次の瞬間、迷いもなくシャッターを下ろし、店先に出していた簡易テーブルや椅子を撤去し始めた。まだ料理の前に座っていた客は、箸を止めたまま固まった。

 

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「略奪者が来たぞ!店閉めろ!」 「消防検査」をする当局は「略奪者」? 広東省潮州市と汕頭市で、多くの商店や工場が臨時休業として臨時休業に入りました。 その理由は、当面による打ち消し消防検査と高額な罰金の回避。 「妻とケンカしたから」などの奇抜な理由を書いた貼り紙が見られ、市民の知恵と前向きな工夫がネット上で注目されています。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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