習近平が仕掛けた張又侠失脚劇

2026/01/26 更新: 2026/01/26

中国共産党(中共)軍のナンバー2とされる中央軍事委員会副主席・張又俠が失脚したとの情報が伝わり、国際社会に大きな衝撃が走っている。専門家の分析によれば、今回の張氏拘束は、中共総書記・習近平が中国のことわざ「豚の姿を借りて虎を欺く(無能を装って機を待つ)」の戦術で反習近平派を欺き、最終的に軍事的手段による政変を仕掛けた結果だという。

専門家「習近平が政変を発動 張又俠を迅速に制圧」

24日、中国国防部は、中央政治局委員で中央軍事委員会副主席の張又俠、ならびに中央軍事委員会委員で統合参謀部参謀長の劉振立について、「重大な規律違反および法律違反の疑い」があるとして、立件調査に入ったと発表した。

これに先立ち、張と劉が重要会議を相次いで欠席していたことから、すでに失脚したのではないかとの噂がネット上で広がっていた。中共当局が異例とも言える速さで公式発表に踏み切ったことが、憶測を呼ぶ結果となった。

張又俠が拘束された理由について、中国史研究者の章天亮博士は、自身の番組『天亮論政』の中で、今回の一連の動きは習近平が主導した「政変」だと分析。「これほど迅速な公式発表が必要なのは、政変以外にあり得ない」と指摘した。

章天亮氏はまた、「君主が臣下を疑えば誅(ちゅう)し、臣下が君主を疑えば反する」という古来の言葉を引用し、張又俠が習近平に取って代わろうとしているとの噂が党内外に広まり、相互不信の状況が生まれていたと説明。その結果、習が張に疑念を抱き、先手を打って拘束に踏み切ったとの見方を示した。

さらに、拘束の事実を迅速に公表した背景には、軍内部での張又侠の部下や同調勢力に対するけん制で、反撃を防ぐ狙いがあったとも分析している。

内モンゴル自治区当局の元幹部・杜文氏は24日、自身のメディアで体制内の関係者による話として、張又侠の拘束後、中国軍内部で大規模な動揺や反乱が起きる可能性があると指摘。「習近平は部隊が北京に進軍することを極度に恐れており、各部隊に対し、原地待機を命じ、勝手な移動を禁じた」と伝えた。

専門家「張又俠拘束は『反習近平派』への逆襲」

独立系テレビプロデューサーの李軍氏も、番組『精英論壇』で今回の事件を分析し、張又俠と劉振立の拘束は実質的な政変だと指摘した。通常の手続きであれば、中央規律検査委員会の李希や張升民が面談するはずだが、実際には拘束直後に公式発表が行われたという。

さらに、習近平が軍に対し「すべての業務を停止し、原地で待機せよ」と命じたとする点について、「軍の反乱を恐れていた証拠だ」と述べた。

李氏は、昨年の時点で、胡錦濤や温家宝らの長老派や張又俠が第4回中央委員会全体会議(四中全会)で習近平を失脚させなければ、逆に自らが最も危険な立場に追い込まれると分析していたという。

李氏は、「習近平は華国鋒とは違う。華国鋒は党内で誠実な人物と見なされ、鄧小平に協力して徐々に退いたが、習近平は必ず形勢逆転を狙う人物だ」との見方を示した。

昨年の四中全会前には、習近平の軍内部における習近平に近いとされる人物9人が相次いで失脚したとの発表があった。これにより、軍の実権は副主席の張又俠氏が握り、その背後には党長老派の支持があったとされる。彼らは政権崩壊を避けるため、習近平を「体面を保った形」で退陣させようとしていたとの情報もある。

しかし四中全会後、権力を削がれた習近平は自己防衛のため、あえて従順な姿勢を演じ、反習近平派を油断させたという。

「習近平が無能を装う技術は、党内で右に出る者はいない」と李軍氏は指摘する。習が権力の座に就く前、多くの人々は彼を穏健な改革派で、胡錦濤より話しやすく、李克強より扱いやすい人物だと見ていたが、実際には全く異なっていたという。

海外の一部メディアでは、最近の習近平が非常に協調的で、調整機関の指示に忠実に従っていると報じられていたが、李氏は「それこそが『豚の姿を借りて虎を欺く』だった」と分析する。

李軍氏は今後、軍が中共政権にとって最大の不安定要因になる可能性があると予測する。「いつ軍で大きな問題が起きるかは誰にも分からない。現在の状況は、明末に崇禎帝が有能な将軍を次々と更迭し、17人もの兵部尚書を入れ替えた結果、軍の忠誠を失い、明朝滅亡を早めた過程と酷似している」と指摘した。

また、胡錦濤・温家宝や張又俠には共通点があるとし、「いずれも『保党派』であり、穏健改革によって党と中共体制を守ろうとしたが、結果的にこの結末を迎えた」と語った。

新唐人
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