張又侠失脚のさらなる内幕 百人に伏撃

2026/01/27 更新: 2026/01/27

中国共産党中央軍事委員会副主席の張又侠と、連合参謀部参謀長の劉振立が1月24日に失脚したとの公式発表があり、衝撃が広がっている。多くの専門家は、これを習近平が発動した一種の準軍事クーデターであると分析している。

1月24日、中国国防部は突如として、中央軍事委員会副主席の張又侠と統合参謀部参謀長の劉振立が「重大な規律違反および法律違反の疑い」があるとし、党中央の検討を経て、両氏に対する立案・審査調査を決定したと発表した。

張又侠は、何衛東に続き、ここ30数年で在任中に調査対象となった2人目の軍事委副主席である。しかも、今回の事件は何衛東の時よりも衝撃が大きい。なぜなら、張又侠は軍内での序列が何よりも上位であるだけでなく、何衛東が1期のみの務めであったのに対し、張は2期にわたり副主席を務めていたからだ。

また、何衛東の失脚時と異なるのは、何の場合は事案発生から7カ月後に正式発表されたのに対し、今回の張又侠拘束のニュースはわずか数日で公式発表された点である。外部の視点では、これは習近平が電撃的な反撃に出たことを意味しており、情勢を掌握するために直ちに公表する必要があったと考えられている。

張又侠の電撃失脚については、ネット上で複数の説が飛び交っている。一つの説では、張は早くも1月17日に京西賓館で拘束されたという。習近平が大量の軍・警察を出動させ、張又侠も激しく抵抗したため、現場は非常に緊迫した状況だったとされる。

別の説によれば、張は1月19日の夜、つまり省部級幹部研討班(地方・中央閣僚級幹部向けの重要会議)の会議前日に拘束されたという。張が会議に向かう際、連れていた警衛はわずか4名であったが、現場で100人以上の伏撃に遭い、拘束されたとされる。張の親族も同時に拘束されたという。

ソーシャルメディアXのアカウント「号角(ハオジャオ)」の分析によれば、習近平は党内の正規の手続きや慣例を完全に無視し、電撃的な奇襲とも言える手法で、張又侠や劉振立ら中央軍事委員会のトップ層を排除した。これにより、中央軍事委員会が機能不全に陥ることも厭わない強硬姿勢を見せている。

また、同時に張の家族までも逮捕したことは、「紅二代(革命幹部の子弟)であれば刑罰は家族に及ぼさない」という暗黙の了解を直接破壊するものである。

同投稿では、張又侠が拘束された理由について以下の可能性を挙げている。

「謀反」か「政変」か

公にできるような単なる汚職の証拠だけでは、これほど強引な処置を下す理由としては不十分である。拘束から公表に至るまでの速さが、他の軍事委員のケースと比べて異常に突出している点に注目すべきだ。これは、張又侠が実際に「反乱(謀反)」の実行段階に入っていたか、さもなくば習近平が切羽詰まった状況で発動した緊急の「政変(クーデター)」であったかの、いずれかであることを示唆している。

疑心暗鬼

後者であれば、習がこれほど急いで手を下したのは、彼の疑念が拭い去れず、誰も信用できなくなったためである可能性が高い。

軍内での実力

張又侠は能力・影響力ともに高く、軍内で実権を握っていたため、習近平にとって最大の潜在的脅威であった。

心理的特質

習近平の「志は大きいが才能が乏しく、内面には強い劣等感を抱えている」という心理的特徴も関係している。歴史を振り返れば、こうした皇帝は優れた家臣を疎んじる一方で、自らの機嫌を取り、ただひたすら媚びへつらうだけの志の低い人間を重用する傾向がある。

今後の予測

今後の推測として、同X投稿では「習近平から人心が離れるスピードが加速し、彼の疑心暗鬼はより異常なものになる。それにより共産党高層部の動揺と流血の惨事は激化し、体制の崩壊が加速するだろう」と結んでいる。

中国問題専門家の横河氏は新唐人の番組で、今回の電撃的な拘束を習近平による「権力奪還のための反撃」であると分析した。それ以前の習近平は実権を一部失った状態にあり、それを一種の「静かな政変」と呼ぶならば、今回の動きは、中央警衛局(ボディーガード部隊)を動かし、自らの権限を越えて軍トップ2名を一度に更迭したという点で、性質上、完全な「武力クーデター」に該当すると指摘した。

また横河氏は、この事件はかつての「林彪事件」を連想させるが、状況は異なると述べた。林彪は毛沢東の明確な後継者であったが、張又侠が代表するのはより強大な勢力である。彼は太子党(紅二代)であり、陝西派であり、軍の実戦派でもあり、長老たちとの関係も良好だった。習近平が張又侠に手をかけたことは、「軍隊、太子党、政治長老」という3つの勢力に対して同時に宣戦布告したに等しい。習は権力を再掌握したかもしれないが、真に信頼できる助っ人がほぼ不在となった今、その統治基盤は揺らいでいる。

台湾・政治大学の寇健文(コウ・ケンブン)教授は、張又侠と劉振立の失脚により、中共軍の人間関係は再編され、高級将校たちは戦々恐々とした日々を送ることになると分析した。軍内の粛清は継続し、第21期中央軍事委員の人事にも影響を及ぼすだろう。

同時に寇氏は、中央軍事委員会主席(習近平)が「孤独な指導者」になったと指摘した。過去に関係があった幹部さえ信用できず、空席を埋めるために抜擢される者も恐怖を感じるだろう。「誰もが不安を抱けば、軍の士気に影響するのは避けられない」としている。

台湾・中央研究院の蔡文軒(サイ・ブンケン)研究員は、軍事委主席は「もはや誰も信じていない」ため、張又侠の失脚は遅かれ早かれ起こることであったと判断している。誰の影響力も軍内に残したくないという考えであり、張の排除は、軍内の「紅二代」との公然たる決別を意味している。

文彬
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