米政府 新型外国製ルーターを禁止 中国製設備を標的に

2026/03/25 更新: 2026/03/25

米国の連邦通信委員会(FCC)は23日、すべての外国製の新型消費者向けルーターの輸入を禁止すると発表した。これは国家安全保障上の懸念から、中国製電子機器の排除をさらに進める措置である。

FCCは同日、規制対象リストを更新し、外国で生産されたすべての消費者向けルーターを輸入禁止の対象に追加した。これに先立ち、政府の関係機関は、こうしたルーターが「米国の国家安全および国民の安全に対して容認できないリスクをもたらす」と認定していた。

ルーターは家庭内でパソコンやスマートフォン、各種スマート機器をインターネットに接続する装置である。推計では、中国は米国家庭用ルーター市場の少なくとも60%を占めているとされる。

今回の措置は、すでに購入済みのルーターの使用には影響しない。また、小売業者が従来どおり、FCCの認証を受けた既存モデルを販売・輸入・宣伝することも妨げない。規制は新たに承認される機種に適用される。

FCCの ブレンダン・カー 委員長は声明で、「行政部門による国家安全保障上の判断を歓迎する。外国製ルーターが容認できないリスクをもたらすと認定され、FCCの規制対象リストに追加されたことは重要だ」と述べた。

外国製ルーターとサイバー攻撃 背後に中共の関与か

FCCは、外国製ルーターがサプライチェーン上の脆弱性を生み、米国経済や重要インフラ、防衛に混乱をもたらす可能性があるほか、重大なサイバーセキュリティリスクを構成すると指摘した。また、これらの機器が悪用されれば、重要インフラへの深刻な被害や国民への直接的な損害につながる恐れがあるという。

さらに、悪意ある攻撃者が外国製ルーターの脆弱性を突き、米国家庭への侵入、ネットワーク破壊、スパイ活動、知的財産の窃取などを行っていると説明した。

これらのルーターは、「Volt Typhoon」「Flax Typhoon」「Salt Typhoon」と呼ばれるサイバー攻撃にも関与しているとされる。

特に「Salt Typhoon」は近年最大規模のハッキング活動の一つを主導し、世界の大手通信・インターネット企業を標的として、各国政府高官の数千万件に及ぶ通話記録を盗んだとされる。研究では、その背後に中国の大規模なハッカー・ネットワークが存在すると指摘されている。

また、米国の 連邦捜査局、国家安全保障局、サイバーセキュリティ・インフラ安全保障庁 は2024年、裁判所の許可を得た作戦により、中国共産党(中共)支援のハッカーが乗っ取った多数の家庭・小規模オフィス用ルーターからなるボットネットを解体したと発表している。

なお、新規制には例外規定もあり、国防総省(ペンタゴン)が安全上問題ないと判断したルーターは市場流通が認められる。

議員 中国製設備は重要インフラから排除すべき

米下院の対中強硬派委員会の ジョン・ムーレナー委員長 は、この決定を歓迎し、「中国による継続的なサイバー攻撃から米国を守る重要な措置であり、こうした機器は重要インフラから排除されるべきだ」と述べた。

またルーターは米国民の接続性を支える重要な基盤であり、中共の技術がその中核に入り込むことは許されない」と強調した。

さらに、米国の情報技術サプライチェーンに残る脆弱性として、中国製の通信モジュール、センサー、産業用ロボット、電力網設備などについても対策強化を求めた。

テキサス州はすでに先行して対策を進めており、同州の ケン・パクストン司法長官 は2月17日、TP-Link Systems を提訴し、消費者を誤解させる販売手法や、中国当局によるアクセスを許した疑いを指摘した。

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