近年、中国共産党(中共)は第一列島線および第二列島線において軍事的な動きを強めており、国際社会の警戒感が高まっている。こうした中、米比合同軍事演習(通称:バリカタン)を4月に実施する予定である。専門家の分析によれば、日本から自衛隊の「戦闘部隊」が初めて米比の合同軍事演習に参加し、戦後初となる本格的な海上共同訓練を実施する。
戦後初 自衛隊の「戦闘部隊」が比で演習参加へ
アメリカとフィリピンによる年次合同軍事演習「バリカタン」は4月に開催予定である。
フィリピン軍トップのロメオ・ブラウナー参謀総長は3月24日、自衛隊の「戦闘部隊」を派遣して演習に参加すると明らかにした。今回の派遣は日比間の安全保障協力の深化を象徴する重要な一歩とされる。
ブラウナー氏は、「1945年以降、フィリピンの地で日本の戦闘部隊を見るのは初めてだ。当時は敵対関係にあったが、今回は同じ陣営に立つ」と述べた。さらに、アメリカおよびオーストラリアと連携し、4か国で防衛演習を実施すると説明した。
台湾のシンクタンク関係者は、今回の演習は日米豪比の4か国体制で行われ、自衛隊の「戦闘部隊」がフィリピン本土に展開する初の事例になると指摘した。また、日本政府が設置した「インド太平洋方面派遣」が参加する可能性があり、演習後にはアジア各国で短期的な巡回配備を行うとの見方を示した。
同氏によれば、この構想は自衛隊がインド太平洋地域でアメリカ軍型の展開を行うことを想定したもので、実現すれば戦後初の海外の常態的展開となる可能性がある。
日米同盟 「盾と矛」から「双矛」へ
小泉防衛相は3月28日、「太平洋側の防衛体制強化は喫緊の課題だ」と表明し、新たに「太平洋防衛構想室」を設置する方針を示した。自衛隊の体制見直しを含む防衛政策の再構築が進められる見通しである。
政府は今年、「安保三文書」の改定を予定しており、防衛力の強化を図る。また、硫黄島に大型艦艇が寄港可能な港湾の整備や滑走路を拡張する計画をしている。
専門家は、日米同盟が従来の「アメリカが矛、日本が盾」という非対称構造から、双方が攻撃能力を担う「双矛」型の対等同盟へと変化しつつあると分析する。アメリカは国家安全保障戦略で、第一列島線において侵攻を阻止できる即応部隊の整備を強調している。
拡大する多国間安全保障網
台湾南方では、米比同盟を中核に、日本やオーストラリア、さらにはフランス、イギリス、カナダなどNATO諸国を含む多国間の安全保障枠組みが形成されつつある。いわゆる「網状型」の準同盟体制である。
専門家は、参加国が増えるほど抑止力が高まり、戦争の可能性は低下すると指摘する。東シナ海、台湾海峡、南シナ海における中共の軍事的圧力に対抗するための動きとみられている。
また、中国海軍による空母2隻の同時展開(遼寧艦、山東艦)が、台湾有事の際に周辺海域全体が封鎖対象となり得ることを示し、従来の「代替航路」構想の限界を浮き彫りにしたとの見解も示した。
昨年6月、中国海軍の空母「遼寧」と「山東」の両打撃群が西太平洋で活動し、日本周辺での行動を確認した。日本政府は、「遼寧」が伊豆諸島やグアムを結ぶ第二列島線を越えて活動した事実を初めて公表した。
第一列島線は、日本列島から琉球、台湾、フィリピン、ボルネオに至る海域で、東アジア沿岸の防衛線とされる。一方、第二列島線は小笠原諸島からマリアナ諸島、グアム、パラオへと連なる後方防衛線であり、米軍の重要拠点が配置されている。
中共がこれらの海域で活動を活発化させる中、アメリカを中心とした同盟網の強化を加速している。
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