南京の観光地で、台湾の選挙に関する応援の言葉を発した男性が、その場で取り押さえられる出来事があった。
現場は南京にある中山陵。中国革命の指導者・孫文の墓がある場所で、孫文は台湾でも「建国の父」と位置づけられている人物であり、中国近代史を象徴する場所として知られている。
この場所を訪れていたのは、台湾の野党・国民党の政治家である鄭麗文氏。沿道では歓迎ムードが演出され、子供や観光客のように見える人たちが、「応援しています」といった掛け声をそろって上げていたという。
その中で一人の男性が、代表団が近づいたタイミングで「鄭麗文主席、2028年は民進党(現在の与党)に勝ってください」と声を上げた。応援の意味を込めた一言だった。
しかし発言の直後、周囲にいた私服の男たちが一斉に動き、男性を取り押さえた。首を腕で締めるようにして、そのまま現場から連れ去られた。
背景として指摘されているのは、「用意された流れ以外は許されない」という現場の統制だ。あらかじめ決められた言葉や行動だけが許され、それ以外は予測できない動きとして排除される。
こうした傾向は南京に限らない。中国では近年、街頭での発言や行動への取り締まりが強まっている。内容にかかわらず、「想定外」とみなせば即座に制止するケースもある。
河南省鄭州(ていしゅう)市でも、4月6日、街頭で日本を批判する内容を拡声器で叫んでいた男性を、その場で警察が取り押さえ連行する出来事があった。
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