中国 22歳、一人で病と闘い続けた日々

地下鉄車内で吐血し 白い上着で床を拭いた女性はいま=中国

2026/07/06 更新: 2026/07/06

今年3月、重慶の地下鉄で吐血しながらも、周囲に迷惑をかけまいと白い上着で床の血を拭いた22歳の女性が、いま命の危機にある。

病状の急変が伝わると、7月2日に中国のSNSで再びトレンド入りし、「どうか生きてほしい」と願う声が相次いだ。

女性は重慶市出身の胡心瑶(フー・シンヤオ)さん(22)。18歳で自己免疫疾患「ANCA関連血管炎」を発症し、その後、腎不全や肺の感染、心不全、消化管出血など重い合併症に苦しんできた。

本人によると、6月下旬から容体が急激に悪化し、この半月だけで何度も病院から危篤を知らせる通知を受けたという。医師からは「このままなら残された時間は7~10日ほど」と告げられたことも明かした。

胡さんは経済的な事情から長期入院ができず、体調が悪化するたびに救急外来へ通って命をつないできた。高齢の両親は故郷に残っており、多くの時間を一人で過ごし、危篤通知書にも自ら署名してきたという。

さらに、病気を理由に恋人からのプロポーズを二度断ったが、その恋人は彼女より先に重い病で亡くなった。亡くなる前には「治療に役立ててほしい」と5万元(約100万円)を託していたという。

今年3月、病院へ向かう地下鉄車内で突然吐血した胡さんは、自分の苦しさよりも周囲への迷惑を気に掛け、白い上着を脱いで床の血を何度も拭き取った。その姿は中国中に広まり、多くの人の胸を打った。

今回の病状悪化を受け、中国のSNSには「どうか生きてほしい」「胸が締めつけられる」といった声が相次いでいる。

血を吐いても、自分より周囲を気遣った22歳の女性。その優しさは、多くの人の記憶に残った。

しかし彼女のように、高額な医療費や長い闘病生活に苦しむ患者は、中国に決して少なくない。十分な公的支援が行き届かず、命をつなぐ重荷は患者や家族にのしかかっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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