中国のカトリック教会に政治学習拡大 中共が統制強化

2026/07/13 更新: 2026/07/13

中国共産党(中共)は、国内で公認されているカトリック教会への統制をさらに強めている。教徒らによると、各地の教会では政治学習会の実施、思想キャンペーンへの協力、当局による監督の受け入れが、以前にも増して求められるようになっている。

中共が認めているカトリック教会は一つだけである。中国天主教愛国会と中国天主教主教団が管轄する公認教会で、いずれもバチカンではなく、中共の監督下に置かれている。

最近、広東省と江蘇省の公認カトリック団体が開いた会議では、聖職者や教徒の指導者に対し、北京が掲げる「宗教の中国化」政策を推進し、当局が「宗教管理の厳格化」と呼ぶ方針を実行するよう求めた。批判者らは、こうした動きによって教会が中共の政治体制の一部へと変えられつつあると指摘している。

中国のカトリック教徒らは大紀元に対し、最近の指示は、宗教団体の自主性を弱め、中共への政治的忠誠を優先させる動きの一環だと語った。報復を恐れ、取材に応じた人々は匿名、または姓のみの掲載を条件とした。

教会組織に政治キャンペーン拡大を指示

広東省カトリック教会が7月8日に発表した通知によると、同省のカトリック関係組織はこのほど広州で会議を開き、カトリック団体、各教区、聖職者、主要な教徒に対し、政治学習や管理強化の取り組みに参加するよう指示した。

会議では、「政治的指導」の強化、内部管理の厳格化、長期的な管理体制の構築が強調された。中共の「宗教の中国化」政策を実行し、「宗教管理の厳格化」を進めることが目的だという。

同様の会議は、隣接する江蘇省でも開かれた。

中国の公式カトリック系サイト「中国天主教」によると、江蘇省のカトリック関係組織は7月2日、南京で省レベルの指導部会議を開催した。参加者には、中共創立105周年に際した習近平氏の演説、中共が新たに制定した民族団結法、全国宗教団体会議で出された指示、中国の公認カトリック指導部が発表した複数の政策文書を学習するよう求めた。

深センに住む中国人カトリック男性は大紀元に対し、この10年で当局による教会への統制は大幅に強まったと語った。

「彼らは何年も前から宗教の中国化を進めている。教会の入口の外には複数の監視カメラが設置され、教会の内部にもカメラがある。教会の安全のためだと言っているが、私には口実にしか思えない」

男性によると、公認カトリック団体は現在、教徒に対して習氏の演説や政治的指示を定期的に学ぶよう求めているという。

「行き過ぎているが、私たちにはどうすることもできない」と男性は話した。

この男性は40年以上のカトリック教徒で、教会運営の中に、党組織の管理や規律を思わせる言葉が徐々に入り込んできたと語る。

「宗教関連の規則や法律を学ぶよう、繰り返し求められている。特定の政策を支持する姿勢を示すことも求められる。ミサのたびに愛国会の関係者が立ち会っている。私には、監視のために来ているように感じられる」

深センの別のカトリック教徒、李さんも大紀元に対し、教会での政治学習会が増えていると語った。

「当局は、私たちが海外の教会と接触することを認めていない。特に台湾や韓国のカトリック教徒との接触を警戒している。彼らと連絡を取ることは禁止されている」

李さんによると、司祭らはパスポートの提出を求められ、海外渡航も厳しく制限されているという。

「パスポートを申請しても、通常は許可されない」と述べた。

李さんは、最近、韓国のカトリック教徒が自分の教会の教徒に電話をかけたところ、まもなく警察が来て、相手の身元、電話番号、会話の内容について詳しく尋ねたと振り返った。

宗教活動に代わる政治学習

江蘇省徐州市のカトリック女性は大紀元に対し、自分の教区では最近、宗教に関する法律や政治文書の学習が始まったと語った。

「習近平の演説を実行しなければならないと言われた。『重大な政治任務』だからだという。以前は、教会に行く目的は主にミサと告解だった。今では教会が政府の要求に協力しなければならない。信仰の場という感じがどんどん薄れているが、教徒は反対することを恐れている」

習近平は2015年の中央統一戦線工作会議で初めて「宗教の中国化」という概念を打ち出した。以降、この方針は中国で公認された宗教団体の運営や教義解釈に反映されてきた。

教会、モスク、仏教寺院では、国旗掲揚式や国歌斉唱などの政治活動がますます一般化している。当局は一部のモスクに対して、伝統的なドームを撤去するなど建築様式の変更も命じている。

教徒らによると、政府の監督は思想キャンペーンにとどまらない。

中国の信教の自由を擁護する米テキサス州拠点の非営利団体チャイナエイドによれば、2025年11月30日、河南省許昌市のカトリック教会は、未成年者が教会に入り、ピアノを弾いたり宗教行事に参加したりすることを認めた。

その2日後、中共当局の監督下にある地元のカトリック事務委員会と天主教愛国会は、この教会に対し、直ちに宗教行事を停止し、是正措置を提出するよう命じた。当局は一時、教会の入口に政府の閉鎖通知を掲示した。

山西省の地下教会の教徒は大紀元に対し、公認教会内部で進められている政治キャンペーンは、国家への登録を拒む教会への圧力を強めるための下地にもなっていると語った。

「彼らはまず公認教会への統制を強め、その後、地下教会にも同じやり方に従うよう求める。登録すれば、愛国会の管理を受け入れなければならない。登録しなければ、違法に活動していると言われる」

バチカンとの合意をめぐる議論

中共は長年、カトリック教徒に対し、政府管理下の中国天主教愛国会に属する教会でのみ礼拝するよう求めてきた。一方、バチカンへの忠誠を保つ地下教会は、当局から継続的な圧力を受けてきた。

2018年、バチカンと中共はカトリック司教の任命をめぐる暫定合意に署名した。合意の内容は公表されておらず、これまでに複数回更新されている。

2024年10月、バチカンは、双方がこの合意をさらに4年間延長することで一致したと発表した。

北京在住の中国の宗教政策に批判的な人物は大紀元に対し、この合意によって中共は地下教会の立場をさらに弱め、国家管理下の教会を中国で唯一の合法的なカトリック組織として示しやすくなったと指摘した。

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