フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は13日、中共当局が最近、100人を超えるフィリピン国民を取り締まったことを強く非難し、フィリピンによる合法的な法執行に対する「露骨な恐喝だ」と批判した。
中共外務省の郭嘉昆報道官は10日、中共の出入国管理当局が「不法就労」や「滞在期限超過」を理由に、100人を超えるフィリピン国民を対象とした特別取り締まりを実施したことを認めた。取り締まりは香港とマカオにも及んだ。
中共側は、外国人による「三非」(不法入国、不法滞在、不法就労)を対象とする通常の取り締まりだとしている。一方、こうした措置は、フィリピン当局への報復との見方が広がっている。
フィリピン大統領反組織犯罪委員会のベンジャミン・アコルダ・ジュニア事務局長は13日の上院公聴会で、中共駐マニラ大使館の関係者が以前、フィリピン側が中国人に対する法執行を続ければ、中国に滞在するフィリピン人も同様の扱いを受けることになると警告していたことを明らかにした。
テオドロ氏は13日に声明を発表し、フィリピン側が5月に実施した捜索は裁判所の令状に基づく適法な捜査だったと強調し、中共側が問題の本質をそらしていると批判した。
「われわれは、中共がフィリピンの法執行手続きに干渉し、フィリピン人に対して露骨な恐喝を行おうとしていることを強く非難する。中国にいるフィリピン人には、中国の法律に違反する意図はなく、そのような違法行為を行える力もない。まして、フィリピンで中国人が関与している犯罪と同じ規模には到底及ばない」と述べた。
フィリピンの法執行に中共が制裁で対抗
今回の外交・安全保障をめぐる対立の発端は、今年5月にさかのぼる。
当時、フィリピン軍や警察などの法執行機関は、東ミサミス州にあるフィリピン・サンジア・スチール社(Philippine Sanjia Steel Corporation)を捜索し、合法的な就労許可を持たない中国人労働者69人を拘束した。現場からは毒性の高い化学物質や放射性の金属廃棄物も押収された。
工場は建設中のフィリピン海軍の乾ドックに近接していたほか、フィリピン・オフショア・ゲーミング事業者の犯罪ネットワークとの関係も疑われていた。テオドロ氏は当時、自ら現場を視察し、施設の封鎖を命じた。
これに対し、中共外務省は6月12日、テオドロ氏とその直系親族に制裁を科し、中国本土、香港、マカオへの入境を禁止すると発表した。
テオドロ氏は13日、中共当局が事件に関与した中国人を積極的に擁護しているとして、「違法行為や犯罪を助長する共犯だ」とさらに批判した。
フィリピン外務省は声明で、拘束されたフィリピン人の状況を確認するため、駐中国フィリピン大使館と緊密に連携していると明らかにした。
また、中共に対し、拘束されたフィリピン人の正当な権利と待遇を保障するとともに、「領事関係に関するウィーン条約」と二国間の領事協定に基づき、速やかに通知するよう求めた。
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