国連の「沖縄・先住民族」論に異議 地方議員が全国組織を設立 人権理事会での既成事実化を懸念

2026/08/14 更新: 2026/08/14

国連人権理事会の補助機関「先住民族の権利に関する専門家メカニズム(EMRIP)」第19回会期に参加した沖縄県の地方議員団は8月12日、帰国報告の記者会見を開いた。

参加者たちは、一部の活動家や民間団体が「沖縄県民は先住民族である」と主張し、県民を代表するかのように国連の場で発言しているとして、代表性の確認を厳格化するよう求めた。

会見には、7月にスイス・ジュネーブで開かれた同会期に参加した豊見城市議の宜保安孝氏、糸満市議の當銘孝文氏、石垣市議の友寄永三氏や、一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラム代表の仲村覚氏らが出席した。

議員団は、一部の活動家がEMRIPで提起した主張が国連人権理事会へ提出される過程で、沖縄県民全体の合意や総意であるかのように公式文書へ記録され、国際社会で既成事実化される恐れがあると訴えた。こうした仕組みを、民意と代表権を乗っ取る「代表性のハイジャック」や「手続きと認知の二重のハッキング」と表現した。

EMRIPから人権理事会へ 公式記録化に懸念

議員団はEMRIPについて、国連人権理事会の補助機関であり、先住民族に関係する民間団体や活動家が多数参加する場であると説明した。その上で、選挙を経ていない団体や個人が「沖縄の代表」を名乗って提出した意見が、上位の人権理事会へ送られることで、沖縄県民の正式な合意に基づく文書であるかのように扱われかねないと指摘した。

議員団によると、沖縄県民の99%以上は自らを先住民族と認識しておらず、米国統治下では日本への祖国復帰運動が展開された。こうした歴史や県民意識が十分に反映されない一方、ごく一部の活動家の主張が「沖縄全体の総意」として国際社会に伝わっていると主張した。

日本政府に対しては、これまで沖縄県民を先住民族と認めるよう求める国連勧告が6回出されている。議員団は、EMRIPなどで積み重ねられた主張が公式記録として固定化され、勧告につながる構造を問題視した。

基地や環境問題を先住民族問題と結び付け

議員団によると、活動家側は米軍基地問題や有機フッ素化合物(PFAS)による水質汚染を、先住民族に対する生存権侵害や「ジェノサイド」と結び付け、国連による監視や特別報告者の配置を求めている。

日本政府が先島諸島を対象に進める緊急避難計画についても、住民が帰還する権利が盛り込まれておらず、住民を土地から引き離す計画であると批判しているという。

沖縄の方言である「しまくとぅば」を巡っては、消滅の危機にある先住民族の言語と位置付け、日本の公教育や標準語教育を言語同化政策とする主張も展開していると説明した。

議員団は、基地、環境、避難計画、言語などの個別課題が、先住民族に対する国家的な権利侵害という文脈へ置き換えられているとの見方を示した。

沖縄関連の発言、賛否6回ずつ

第19回会期で行われた沖縄関連の発言は計12回で、日本政府や地方議員団など先住民族との位置付けに反対する側と、先住民族であると主張する側が、それぞれ6回発言した。

議員団は、現地では、選挙を経ていない民間団体が沖縄の代表として扱われる半面、住民の選挙で選ばれた地方議員の代表性が十分に考慮されなかったと述べた。

また会場で携帯電話を使って資料を確認していた地方議員が、録音や撮影をしていると疑われ、警備員による退場を求められそうになったり、同行した記者についても「偽記者」との申告によって取材資格が一時的に取り消されたとし、そうした発言や取材を妨げる行為を議員団らは疑問視している。

また議員団は、宜野湾市の宮城ちえ市議が、市議会の議決や代表権の委任を経ずに「宜野湾市議会を代表して」とする意見書を国連機関へ提出した事に触れ、議会の正式な意思と個人の主張を混同させる代表性の偽装に当たるとして、懲罰手続きの対象になっていると説明した。

国連の場で中国の外交官が「沖縄県民は日本人ではなく先住民族である」と言及したことにも触れ、沖縄を日本から切り離そうとする地政学的な動きにつながる可能性があるとして警戒感を示している。

「自己決定権」の解釈に隔たり

会見では、沖縄の政治運動で使われる「自己決定権」という言葉についても問題提起があった。日本国内では地方分権に近い意味で受け止められる場合がある一方、英語の「Self-determination」は民族自決や国家独立を意味するため、海外では沖縄が日本からの分離独立を望んでいると理解される恐れがあると指摘した。

仲村氏は、沖縄県の「差別のない社会づくり条例」の運用について、自身を差別的言動の実名公表対象とする手続きが開始された際、審議内容が非公開とされ、十分な説明や反論の機会を与えられなかったと主張した。条例が先住民族に関する国連勧告への反論を封じる手段として使われているとの見方を示した。

仲村覚氏は、別の対談において、先住民族に関する国連勧告への反論をヘイトスピーチとして封殺するために「差別のない社会づくり条例」が使われており、自身を対象とした実名公表手続きの審議が非公開で行われ反論の機会が与えられなかったとして、行政による人権侵害と運用のあり方を批判している。

全国規模の地方議員連盟を設立

議員団は、国連における沖縄の代表性を守るとして、「国連における沖縄の民主的民意と真の代表性を守る全国地方議員連盟」を設立した。宜保氏が代表を務め、全国の地方議会と連携する方針である。

連盟は、日本政府に対し、外国からの不当な情報干渉を検証する「外国不当情報干渉(FIMI)監査」の実施を求める。国連で事実と異なる主張が出された場合、24時間以内に公式反論を発出できる体制の構築も要請する。

国連事務局に対しては、意見書を提出する個人や団体が、誰から代表権を与えられているのかを事前に確認する仕組みの導入を求める。

議員団は中川京貴沖縄県議会議長にも陳情書を提出した。特定の団体や議員による議会名義の無断使用を防ぐ監視手続きを設けるとともに、民主的に選出された地方議会の正式な決定こそが沖縄の民意であると表明する意見書や決議を採択するよう求めている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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