7月末、中国共産党(中共)は新たな出入国管理規定を発表し、中国人の出国制限をさらに強化した。新規定はまだ施行されていないが、中国本土の空港ではすでに出国者に対する審査の対象が拡大している。中国のネットユーザーが、上海浦東国際空港で出国する際に個人情報の記入を求められたと投稿した。同ユーザーによると、搭乗予定だった便では乗客の約半数が搭乗を認められなかったという。
8月18日、中国ネットユーザーが、上海浦東国際空港から米シアトルへ向かう際の体験を投稿した。搭乗券を受け取る際、空港職員から出国情報表への記入を求められ、「恐ろしい。プライバシーが全くない」と語った。
ネットユーザーが投稿した出国情報表のスクリーンショットでは、氏名や旅程のほか、家族構成、海外の親族・友人、SNSアカウント、VPNなどの利用状況、資産、銀行口座や債務、さらに機密事項や安全審査に関する情報まで記入を求めている。

このユーザーは、同じ便の乗客の約半数が搭乗を認められなかったと推測している。離陸後、機内の座席の約半分が空いていたためだ。
また、このユーザーの前にいた1人はスマホを検査され、SNSやチャットアプリも調べられた。特に問題はなかったというが、その後も足止めされ、搭乗を認められなかった。
警察は、この人物のスマホに入っていたアプリはいずれも新たにインストールされたもので、端末も普段使いのものではなく、予備だったと説明した。
その後、警察はこのユーザーを含む約20人にスマホのロックを解除させ、端末を何台かずつ別室に持ち込んで検査した。
同様のケースはほかにも複数報告されている。
中国語BBCが8月20日に報じたところによると、湖南省出身の男性は、海外旅行中に中共警察から帰国を強要され、帰国後は出国制限のブラックリストに入れられ、出国できなくなったと明かした。
また、ネットで拡散しているスクリーンショットによると、日本に帰化した中国系男性は、7月に親族を訪ねるため中国を訪れたが、日本へ戻る便に搭乗する直前、当局から突然搭乗を禁止された。その後、中国国籍を回復するよう強要され、2036年まで出国できないと告げられたという。
中共体制内の事情に詳しい関係者によると、新規定はまだ正式に施行していないものの、中国各地の主要な国際空港や陸路の国境検問所では、8月1日からすでに試験的な運用が始まっているという。
ロサンゼルスの中共総領事館では最近、中国パスポートの更新を拒否されるケースが出ている。ビザやパスポート手続きの代行業者によると、主に非正規ルートでアメリカに入国した人や、アメリカで亡命を申請した人が対象になっている。
代行業者の劉安琪氏は、こうした人の多くがパスポートを更新できず、領事館から『現在、パスポート更新の要件を満たしていないため、中国へ1回だけ帰国できる旅行証を申請できる』と案内されていると説明した。
劉氏によると、これまでは特定の敏感地域の出身者を中心に審査が強化されていたが、ここ数か月は審査要件がさらに厳しくなっているという。
7月31日、中共国務院は新たな出入国管理規定を公布し、9月15日から施行するとした。新規定では、関係当局が出国者の「電子データ」を審査できるほか、いわゆる国家安全、産業安全、科学技術安全などを脅かす可能性があるとされた人物を、出国制限の対象に含めるとしている。
この規定をめぐっては、「電子データ」の定義や対象範囲が曖昧で、個人のプライバシーまで審査対象になる恐れがあるとの懸念が出ている。
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