約10億ドルの中国製人工呼吸器調達 ハンガリー前政権に詐欺疑惑

2026/08/26 更新: 2026/08/26

ハンガリーのアニタ・オルバーン外相は25日、前政権による2020年のコロナ流行初期の約10億ドル規模の人工呼吸器調達をめぐり、詐欺などの疑いで検察当局に告発したと明らかにした。

調達額は約3千億フォリント(約1543億6千万円)に上る。外務省の調査では、巨額の損害を生じさせた背任など、複数の犯罪の疑いが浮上した。

AP通信によると、オルバーン前首相が率いた当時の政府は2020年3~4月、中国から約1万7千台の人工呼吸器を購入した。当時から、国内で実際に運用できる台数を大幅に上回り、1台当たりの価格もヨーロッパのほかの国より高いとの批判が出ていた。

オルバーン氏は25日にFaceboookに投稿した動画で、調査によって「特に巨額の財産上の損害をもたらした背任や、その他の犯罪の疑いが生じた」と説明した。

購入した人工呼吸器の数は、対応可能な医療従事者数や病床数を大幅に上回っていた。また、税関や税務当局のデータから、ハンガリー国内の仲介業者を通じ、工場出荷価格を大幅に上回る金額で購入していたことも分かった。

ハンガリー政府によると、約1万7千台の大半は仲介業者を通じて購入され、一部の業者はこの取引で売上高が急増した。一部の機器には不具合も見つかり、多くが病院で一度も使われないまま倉庫に保管された。保管費用も数百万ドルに上った。

ロイター通信は、外務省の内部調査で、削除されかけたデータの一部が復元されたと報じた。検察当局に提出した資料は88GB、約13万ファイルに上り、当時の外務省幹部の責任も焦点となっている。

当時、外相を務めていたペーテル・シーヤールトー氏は、人工呼吸器のほか、中国の製薬大手シノファーム製ワクチン500万回分の調達を主導した。

シーヤールトー氏は最近、国会議員を辞職し、中国自動車大手BYDの幹部に就任した。在任中には、BYDのハンガリー進出に伴う多額の政府支援を推進しており、利益相反を指摘する声が上がっている。ハンガリー政府は、同氏の在任中に進められたBYDの大型投資についても調査を始めた。

前与党の右派政党フィデスは、今回の告発について正式な見解を示していない。今後、検察当局が捜査を進める。

李言
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