米国土安全保障省(DHS)は2日、先月の1か月間に米国内で不法滞在する移民約5万1000人を逮捕したと発表した。単月として過去最多で、移民・関税執行局(ICE)による逮捕者数は3か月連続で増加した。6月の4万3900人、7月の5万208人を上回った。
マークウェイン・マリン国土安全保障長官は2日の声明で、「米国土安全保障省の勤勉な職員は、国土を守り、米国民を保護するため、記録を更新し続けている。これは公約を実行し、約束を果たしている証しだ」と表明した。
マリン長官は声明で、現在も米国内に不法滞在している外国人に対し、「米国に不法滞在しているなら、今すぐ出国せよ。そうしなければ、我々が見つけ、逮捕し、国外退去させる」と改めて警告した。

一方、米政府の提供データに基づく報告書によると、7月の移民・関税執行局による逮捕者は4万9571人で、米国土安全保障省が公表した数字より数百人少なかった。
米国土安全保障省によると、トランプ大統領が昨年1月にホワイトハウスに復帰して以降、300万人を超える不法移民が米国を自主的に出国するか、国外退去処分を受けた。
米政府は、不法滞在する外国人に自主的な出国を繰り返し呼びかけている。帰国のための航空券を無料で提供するほか、3000ドル(約43万円)の現金を支給する制度も設けている。政府当局者らはこれまで2600ドルを提示することが多かったが、今回の米国土安全保障省の発表では3000ドルとされた。
これに対し、移民当局に逮捕された不法移民については、合法的に米国へ再入国する機会を与えず、国外退去処分にすると米国土安全保障省は説明している。
米国土安全保障省はまた、過去数か月間に国外退去となった「最も悪質な犯罪者」とする不法移民の事例を紹介した。
カリフォルニア州コンプトンで殺人罪により有罪判決を受けたケニア人男性、ワシントン州で児童への性犯罪により有罪となったインド人男性、オハイオ州シンシナティで薬物犯罪により有罪となったグアテマラ人男性、ニュージャージー州バーゲン郡で性的暴行や児童への性的暴行で有罪となったエクアドル人男性、フロリダ州ポーク郡で飲酒運転による過失致死罪で有罪となったメキシコ人男性、飲酒運転や不法再入国、児童への性犯罪で有罪となったメキシコ人のギャング構成員、テキサス州ヒューストンで加重強盗罪により有罪となったホンジュラス人のギャング構成員らだ。
トランプ政権による移民取り締まりは、移民・関税執行局による重点的な摘発に加え、大統領令の発令、移民ビザ(査証)申請の一時停止、移民に対する一時的な保護資格の取り消しなど、多方面に及んでいる。
こうした政策を巡っては、各地で訴訟が相次いでおり、一部では政権側が敗訴している。2日には連邦地裁が、米国で生まれた子供に原則として国籍を認める「出生地主義」に基づく国籍取得を制限しようとしたトランプ氏の大統領令について、執行を差し止めた。
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