習近平は9月24日に米ワシントンを訪問する予定だ。訪米を前に、海外の華人コミュニティーでは、「歓迎活動」への参加を呼びかけるWeChatグループのスクリーンショットや内部向けの募集メッセージが相次いで拡散している。
最近出回ったWeChatグループのスクリーンショットには、活動期間を9月22~26日とし、「中国共産党(中共)大使館と商会」が費用を負担し、参加者に航空券や食事、宿泊を無料で提供するとの記載がある。
また、「○○工商会」名義の別の募集メッセージでは、「旗を振って歓迎する」参加者を募り、食事、宿泊、交通費を負担するほか、80ドルの日当を支給するとしている。対象は70歳未満で、「定員になり次第締め切る」と記されていた。
一方、Xでは8日、海外の著名な中国語圏アカウントがネットユーザーから寄せられた情報として、米デラウェア州の中国語学校が生徒や保護者に習近平の歓迎活動への参加を呼びかけていると投稿した。
投稿には、「デラウェア○○中国語学校」のWeChatグループとみられるスクリーンショットも添付されていた。
通知によると、9月23~24日の歓迎活動について「宿泊枠を少数追加した」とし、先着順で申し込みを受け付けた上で、最終的な宿泊者は主催者側が決めるとしている。
大型バス、23日の昼食と夕食、宿泊費、24日の食事などは「実行委員会」が負担すると記され、参加希望者には9月13日までの申し込みを求めている。
ただし現時点で、この中国語学校が組織する活動の規模や、費用を実際にどの組織や機関が負担しているのかは、公開情報から独立して確認できていない。
「自発的な歓迎なのか」ネットで疑問の声
一連の情報はXで議論を呼んでいる。
交通費や食事、宿泊費まで主催者側が負担するのであれば、華人コミュニティによる「自発的な活動とは言い難い」との声が上がった。手当を支給して参加者を集める行為について、事実上「金で雇われた歓迎役」であり、従来の対外宣伝や統一戦線工作の一環だとの指摘も出ている。
一部のネットユーザーは、こうした歓迎団体には抗議の声を「かき消す」役割もあると指摘する。習近平の車列が通過する際、大量の赤い旗や人垣で抗議者のプラカードや横断幕を隠し、拡声器でシュプレヒコールを覆い隠し、指導者の目や耳に反対の声が届かないようにするという。
未成年の生徒を参加させることについて、「学校や子供を政治的な活動に巻き込むべきではない」との批判が出ている。一部では、FBIなどへ通報すべきだとの意見も出ている。
一部では、民選政府の指導者が外遊時に市民の監視や批判を受け入れていることと対比し、巨額の費用を投じて「大歓迎」の光景をつくり出すやり方は、専制体制の個人崇拝や「見せかけの繁栄」への執着を示しているとの批判も出ている。
2023年APECでも動員めぐり議論
2023年に米サンフランシスコで開かれたAPEC首脳会議でも、中共の在外公館や親中共団体が歓迎活動の参加者を集めていたと報じられた。今回、習近平の訪米を前に再び同様の募集とされる情報が出回ったことで、海外の華人コミュニティでも議論を呼んでいる。
ある華人団体関係者は大紀元に対し、最近、中共の駐米副領事が団体の会館を直接訪れ、「習近平歓迎活動」への参加を求めたと証言した。
この団体は中華公所傘下で100年以上の歴史を持つ伝統的な華人団体であることから、参加を断った。
ロサンゼルス在住の華人男性も、数年前に習近平がサンフランシスコを訪問した際、南カリフォルニアの台山系華人団体が参加者を集めて歓迎活動に向かったと振り返った。
男性によると、自身も同団体の会員だったが、活動について事前に知らされておらず、終了後にWeChatグループへ投稿された現地写真や慰労会の様子を見て初めて知ったという。
男性は、主催者側が活動を「円滑」に進めるため、グループでの公開募集を避け、特定の参加者に個別に声をかけることがあると話した。
また、一部の華人からは、米国の捜査・情報機関がこうした活動を記録し、動向を注視する可能性があるとの声も出ている。80ドルの日当については、物価高を考えれば「安すぎる」と皮肉る投稿もみられた。
米中首脳会談が近づくなか、習近平の訪問時には歓迎する人と抗議者の双方が警戒区域の外で対峙するとみられている。歓迎活動をめぐる今回の情報は、訪米前から海外の華人社会で波紋を広げている。
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