【大紀元日本10月26日】中国農業部の官僚と国際動物衛生組織は25日、内モングルの発表(19日)に続き、安徽省でも鳥インフルエンザが発生したことを明らかにした。また、香港のラジオ局の報道によると、中国農業部は香港政府に同日に湖南省でも鳥インフルエンザが確認されたことを伝えたという。中央社が報じた。
世界動物衛生組織は、ホームページで中国当局が提出した安徽省の伝染報告書を公開した。報告書には「今回の感染は20日に確認され、感染対象は鶏とアヒルである。14万羽のアヒルに免疫注射し、その他の検疫措置と感染拡大を防ぐ対策が施された」と記している。
BBCは、国連食糧農業機関(FAO)駐北京代表モナ氏が中国農業部から入手した情報を報じ、「安徽省天長市近郊でアヒルが鳥インフルエンザに感染し、H5N1ウィルスが確認された。550羽のアヒルが死亡し、感染地から半径1.5キロの周辺地域の4万5千羽の家禽類をすべて処分した」という。さらに「鳥インフルエンザは、中国だけではなく、全アジア地域に拡散している。明らかに状況は非常に深刻である」と見解を示している。
今年の5月中国の青海省で渡り鳥が大量に鳥インフルエンザに感染死したことが、世界保健機構(WHO)の職員により確認された。「感染する渡り鳥が9月になると、世界各地に飛び立ち、鳥インフルエンザの世界流行を起こしかねない」と関係者は警告した。後に中国国内のチベット、陝西省、内モングル、寧夏自治区などの各地で鳥インフルエンザが続発し、WHOの職員は感染地の視察を要求したが、拒否された。中国当局は有力な対策も取らずに、その後撲滅宣言し、渡り鳥が中国から飛び立つ秋になるのを待つばかりだった。ラジオ自由アジア(RFA)の報道によると、感染鳥は処分されるところか、市場で販売されていたという。
しかし、中国国家林業局のスポークスマン・曹清尭氏は24日の記者会見で、「中国では、野生動物が鳥インフルエンザに感染するのが、まだ発見されていない」と平然と嘘の発表をした。中国当局の無責任極まる対応に、専門家の間では、2003年のSARS事件の再来を懸念する声が上がっている。
鳥インフルエンザは近頃ロシアや、イラン、トルコ、南欧の各国で相次ぎ確認され、検出されたウィルスのほとんどは、中国青海省と一致し、致死性のH5N1ウイルスである、専門家らは渡り鳥により伝播されたと見ている。
2003年年末からアジア各地ですでに60人以上が鳥インフルエンザに感染し死亡したことが確認された。WHOの総幹事・李鍾郁氏はカナダで開かれた国際保健会議で、「鳥インフルエンザの人から人への感染を防ぐために、国境を超えた世界範囲の鳥インフルエンザ対策を講じるべきだ」と呼び掛けた。
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