【大紀元日本11月3日】鳥インフルエンザを長年研究してきた香港大学微生物学副教授・管軼氏はこのほど、世界各地で頻発する鳥インフルエンザの発祥地は中国である可能性を突き止めたとして、米国タイム誌最新号での人類を救った世界英雄18人の1人に選ばれた。中央社が伝えた。
今年5月に中国青海省で大量の渡り鳥が鳥インフルエンザに感染死したのが発覚して以来、中国各地で相次ぎ感染が確認され、近頃ロシアや、イラン、欧州などの各国まで、感染が拡大した。香港の明報は、管軼氏の発言を引用した「鳥インフルエンザが発生するかどうかを心配するよりは、いつ発生するかのことを考えた方が賢明」という。
管氏は、SARS及びH5N1鳥インフルエンザ研究で国際的権威である、2003年のSARS大流行の際、伝染源は中国のハクビシンである可能性を突き止め、流行の歯止めに重要な役割を果たした。今年7月ごろ英科学誌「ネーチャー」で、中国青海省での鳥インフルエンザ発生は、世界に危険をもたらす可能性を警告し、そして、南中国から広がる可能性が高いと示唆した。そのため管氏は中国共産党に国家機密を漏洩したと因縁を付けられ、結果ウィルスサンプルが押収されたうえ、研究の中止が命じられ、中国の大学にある研究室も強制閉鎖となった。
今回の世界各地で拡大する鳥インフルエンザ感染について、管氏は「中国や、インドネシア、ベトナム、タイなどの発展途上国において、情報収集と公開が非常に不透明であると同時に、防疫準備の措置や、予防薬品が行き届いてないため、将来鳥インフルエンザの人から人への感染が大流行する最危険地域になる」と警鐘を鳴らし、「鳥インフルエンザの世界大流行を防ぐためには、世界各国とくにこれらの国家は、地域協力と政府間の提携を強化し、情報透明度のアップに努め、科学技術者が研究を進むなどの要素は重要不可欠である」と呼びかけた。
タイム誌は「鳥インフルエンザの猟師――管軼」と題する報道文を掲載し、「管氏は過去5年の間に、研究チームと共に約10万個の禽鳥サンプルを集め、250種類以上のウィルス遺伝子を組み立て、鳥インフルエンザウィルスが地区で拡散する構図とウィルス変異の画像を突き止めた」と報じた。
管氏は同誌で「ウィルスが動物間で変異する詳細経過を把握できれば、人間が感染した際に体内での変化を研究するには役立つ」と自分の研究目的を説明。鳥インフルエンザ流行の気配が近づくにつれ、あらゆるデータを集め、鳥インフルエンザというパズルをつなぎ合わせるため全力を挙げている。「この仕事は全世界のためにしている。初めて伝染病の蔓延を防ぐことができる能力を備えたのであり、どれだけ多くの人命を救うことができることか」と述べた。
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