【大紀元日本2月19日】ロシアの昨年における海外武器売却は、中国とインドが大口の顧客となったため、冷戦終結以降で最高を記録した。ロシア軍事技術協力制作局長・メドリヤフ氏によると、2004年ロシアの対外武器輸出額は58億米ドルであり、2005年は更に伸びて61億2600万米ドルに達した。昨年の中国、インドに対する輸出額は、ロシア輸出総額の70%に達したという。
中国軍事ジャーナリストらに、対潜水艦船「マーシャル・シャポシュニコフ」について説明するロシア海軍将校=2005年8月、中露合同演習で(Getty Images)
VOAによると、昨年12月、ロシア・モスクワ郊外の航空機工場「サルート社」は、中国から航空機エンジン150基を受注し、売却総額は5億米ドルに達した。エンジンは「スホーイ27」搭載用で、2005年のサルート社の中国からの受注額は、10億米ドルに達した。これらエンジンは、中国瀋陽航空機製造工場が生産する「改良型SU-27戦闘機」に搭載される。中国は、1996年初頭、SU-27戦闘機200機生産のライセンス契約を結び、総額25億米ドル、期限15年でロシア側と合意した。工場側は、「中国側の技術革新はめざましいが、航空機エンジンの分野では、まだここ3年から5年、ロシア側の方が優勢」と述べた。
また、BBCによると、2002年1月、ロシア北方造船所は、中国海軍と現代級駆逐艦956EMを2隻建造することで合意し、引渡し期間は2005年から2006年、総額は約14億米ドル超であったという。ロシア国営の武器輸出会社は昨年12月、「ロシアの北方造船所は、中国海軍に現代級駆逐艦1隻を納入した」と公表した。当駆逐艦は、艦対艦ミサイル、魚雷、雷撃等の対潜武器システム、モスキート対艦巡航ミサイルなどを装備しているという。
ロシア世界経済政治研究員・アルバトフ氏の分析によると、ロシアの現在の国防状況からすると、国内軍需産業は中国、インドからの発注が不可欠で、「主要な提携先はここ最近、中国、インド、イラン、アルジェリアになった。これらが主要な輸出先、市場だ」という。アルバトフ氏によると、「国内軍需産業が、ロシア軍から受注するのは25%で、余剰生産力が必然的に輸出に回されている」。
昨年のロシアの武器輸出は、海軍装備が主であったが、今年は戦闘機、武装ヘリ、防空ミサイルも視野に入れている。ロシアは依然として、米国に次いで世界第二位の武器輸出国としての地位を保持したく、今年55億米ドルを計画している輸出高を、2007年には70億米ドルに、5年以内には受注総額を230億米ドルにしたい意向であり、これはソ連時代の水準だという。
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