【大紀元日本4月15日】ロシア・極東ハバロフスク地区環境保護委員会の議長ビクター・バルジュコ氏は4月12日、ロシアのメディアに対して、昨年11月13日に吉林省の石化公司化学工場の爆発以降、松花江沿岸では少なくても10を超える化学工場が相次いで爆発し、漏洩事故が起きたことを明らかにした。その内の数件の事故で、松花江へ再び有毒化学物質の流出が発生した。
バルジュコ氏は、4月6日、ハルピン郊外で起きた火災および爆発は60トンのベンゼンの漏洩を起こしたことを明らかにした。情報筋によると、今回の漏洩は直接に松花江へは流出しておらず、ロシアのアムール川に対する汚染はないとしている。
しかし、ロシア境界内にあるアムール川沿岸の都市は、すでに環境保護の警鐘をならしている。なぜなら、雪解けの春になれば、松花江に凍らされた有毒化学物質がロシア境界に大量に流れ出て拡散するとみられるからだ。
ハバロフスク市政府当局は特別委員会を設立し、有毒化学物質が含まれている雪解け水や氷が通過した際、住民にきれいな生活用水の確保に尽力するとし、衛生検疫部門も毎日アムール川の水を調査し分析しているという。
2005年11月13日午後、吉林市の中国石油化学公司(SINOPEC)傘下にある吉林石化公司の爆発事故は、6人が行方不明、70人が負傷する惨事となった。また、数キロを離れた場所からも松花江北部の化学工場地区から黒い煙が上がったという。中毒を避けるために、住民および北華大学、吉林化工学院学生ら計数万人を避難させたという。
事故発生後、中共は10日間にわたり、すべての情報を統制した。松花江で有毒ガスがハルピンに流れ着いたとき、初めて100トンの毒物であるベンゼン漏洩事件が明らかになり、各界から非難を受けた。特に、松花江の下流であるロシア境界内のアムール川地区では、中共側の情報隠蔽を強く批判した。
中国側は松花江ベンゼン漏洩事件発覚後、150トンの活性炭素と水質分析機器6台を送ったが、ロシア側の政党関係者らは昨年12月、ハバロフスクの中国領事館前で「ルールを守ろう、汚したら、自分できれいにしよう」「必要なのは、洗浄器ではない、浄水なのだ」というプラカードを掲げ、抗議デモを行った。
現在、ロシア側は各河川が雪解けした後、評議の上、アムール川地区の汚染状況に関して北京側に損害賠償を求めるという。
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