【大紀元日本6月23日】東京、長野で行われた「グローバル人権聖火リレー」が6月22日、大阪に到着した。この日、大阪地方は午前中激しい雨が降り、開催が危ぶまれたが、その雨も昼前には上がり、予定通り、セレモニーが行われた。引き続き行われたパレードは激しい雨にたたられたものの、参加者たちは沿道の人たちに笑顔で手を振りながら、大阪のメイン通りの御堂筋を南へ、繁華街の難波まで元気よくパレードを続けて、市民に「人権なくして北京五輪なし」と訴えていた。
まず1時半から、大阪市の中心部にある中之島公園で集会が行われた。
はじめに、法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)アジア調査団の安東幹・副団長があいさつした。安東氏は、中国政府は北京オリンピック開催の資格を得た時に、自国での人権状況を改善すると約束したにもかかわらず、その後かえって人権弾圧の度合いを強め、法輪功、各少数民族、民主化運動等への弾圧を強めていると非難した上で、「北京オリンピック前までに中国政府に必ず人権弾圧を止めさせねばならない」と決意を新たにした。
その後、来賓の応援スピーチが行われ、まず徳永信一弁護士があいさつに立った。徳永氏は、中国政府による法輪功弾圧が始まった当初から、弁護士という立場から理不尽な人権弾圧に立ち上がり、先頭に立って活躍してきた人だという。
徳永氏は、平和の祭典であるオリンピックはたいへん意義深いもので、それが北京で開かれるということ自体はたいへん喜ばしいことだとしながらも、「北京政府はオリンピックを政治的に利用して、自分たちが行っている国内ならびに全世界における人権侵害を隠蔽しようとしている。そのことに対して抗議の声を挙げていかなければならない」と力強い口調で述べた。
応援スピーチをする徳永弁護士(撮影=瀬戸/大紀元)
大阪経済大学の黒坂真教授は、中国共産党政府が法輪功学習者に対して行っている臓器狩りや、政府に批判的な発言をした人が労働改造所に送り込まれて過酷な労働や拷問を受けている等、中国の深刻な人権侵害状況を紹介した上で、「日本人はそういった事実をあまりにも知らなさすぎる」と指摘した。
また、日本には、中国と金儲けをしたいがために、中国共産党がやっている人権抑圧については黙っていたほうがいい、と考える政治家が多いと指摘し、「我々が本当に中国人と友人になろうとするなら、『それはおかしい』と言わなければならない。日本には、そういうことは言わないほうがいいんじゃないかという人がいるが、それは偽善的である」と強調した。
応援スピーチをする黒坂教授(撮影=瀬戸/大紀元)
集会にはこのほか、八尾市議会議員で、特定失踪者問題調査会理事でもある三宅博氏、沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会代表の南木隆治氏、民主党大阪府第14総支部長の長尾たかし氏、『月間中国』編集長の鳴霞氏、モンゴル自由連盟党幹事長のダイチン氏、大和心のつどひの吉村伊平氏、サイト「KNN日本」管理人の遠藤健太郎氏、大阪国際大学講師の久野潤氏もかけつけて、応援スピーチを行った。
集会ではまた、平沼赳夫・衆議院議員、西村真悟・衆議院議員等からの応援メッセージも披露された。
そして、集会の締めくくりとして、人権聖火の引き継ぎ式が行われ、安東副団長ならびに徳永弁護士、三宅市議に聖火が引き継がれた。
聖火引き継ぎ式。左から、三宅市議、安東副団長、徳永弁護士(撮影=曹景哲/大紀元)
集会に引き続いて、大阪市のメイン通りの御堂筋を、ゴールの難波を目指してパレードが行われた。人権聖火の引き継ぎ式の途中から降り始めた雨は、パレードがスタートしてまもなく雨脚を強め、ゴールの難波まで激しく降り続いた。
ただ、そのような悪天候の中でも、パレード参加者らは、笑顔で沿道の人々に手を振りながら、スローガンを声高に叫ぶことなく、穏やかに「人権なくして北京五輪なし」を訴えていた。
パレードの参加者ら(撮影=瀬戸/大紀元)
パレードの参加者ら(撮影=瀬戸/大紀元)
雨の中、笑顔で手を振る参加者ら。先頭は、大和心のつどひの吉村氏(撮影=瀬戸/大紀元)
普段は「フリーチベット関西」で活動しており、「同じ思いを伝えたいと思って参加した」という地元大阪の女性は、「中国の人権状況をよくするには、世界中がみな立ち上がって、このように抗議していかないと変えることができないと思う。日本は中国に追従せずに、財界も官界も利権にからんで中国に媚びるということをせずにいってほしい」と語った。
人権聖火は、この後、25日に名古屋・若宮広場(同5時半)、28日に広島・平和公園(同1時半)、29日に福岡・中央公園(同零時)でイベントが行われる。
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