[東京 22日 ロイター] – 第48回衆院選は、自民党単独で「絶対安定多数」の261議席を大幅に上回り、公明党と合わせ300議席を超える圧勝となった。一方、政権交代を訴えた希望の党は公示前勢力を下回る公算で、東京、大阪で連携した日本維新の会も伸び悩み。対照的に立憲民主党は躍進し、野党第1党になる可能性が高まっている。
安倍晋三首相は同日夜、「選挙結果に謙虚に向き合う」と述べた。自民党の二階俊博幹事長は、安倍晋三首相に対する信任を得たとの認識を示した。
自民党は、衆院の17常任委員会で委員長を出し、さらに委員数で野党を上回る「絶対安定多数」を上回り、さらに上積みする勢いとなっている。
安倍首相は、憲法改正について「時期ありきではない。しっかりと憲法審査会で議論して、あるいは国会において議論をしていかなければならない」と語った。
そのうえで「与党だけで発議しようとは考えていない。できるだけ多くの方々の賛成を得るべく努力していきたい」、「希望の党をはじめ、他の政党とも話をさせていただきたい」と述べた。
二階幹事長は、来年9月の自民党総裁選での安倍総裁の3選支持のスタンスに変化はないとの見解も示した。
ただ、自民党の岸田文雄・政調会長は、安倍総裁の3選が有力かとの質問に対し、「1年近く先の話であり、今から話すべきことではない」「何があるかわからない。一寸先は闇だ」と語った。
また、同党の小泉進次郎・筆頭副幹事長も「政治は何が起きるかわからない。来年のことを話すのは早い」と語った。
一方、政権交代を掲げた希望の党は伸び悩んでおり、小池百合子代表は、非常に厳しい結果だと述べるとともに「これまでの言動で、不快な思いを抱かせたことは申し訳ない」と語った。
東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は「選挙の序盤戦では希望の党がかなり取るのではないかと言われていたが、結局のところ小池代表の失言などもあり失速した」と指摘。
そのうえで「安倍政権への批判票が、希望の党、立憲民主党、その他の野党の間で分散してしまってその結果、自民党が勝利したということだと思う」と分析した。
金融・資本市場も選挙結果を見守ってきたが、三菱東京UFJ銀行・チーフアナリストの内田稔氏は「アベノミクスと日銀の緩和路線が継続されるという安心感から、週明けの市場はいったん株高・円安で反応するだろう」と予想。
そのうえで「経済政策の進展に対する期待感は低く、消費増税の増収分の使い道変更についても、効果の見極めには時間がかかる」とみている。
NHKは23日午前1時35分現在の獲得議席について、自民党が280議席、希望の党が49議席、公明党が28議席、共産党が11議席、立憲民主党が50議席、日本維新の会が9議席、社民党が1議席、無所属が23議席と伝えている。
*情報を更新しました。
(田巻一彦 編集:田中志保)
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