中国の楼継偉・前財政部部長(財務相、68)はこのほど、経済関連のシンポジウムで、「中国の金融システムリスクの発生確率は、2008年に起きた世界金融危機前の米国の金融リスクよりはるかに高い」と警鐘を鳴らした。
中国経済ニュースサイト・華爾街見聞電子版(1月31日付)によると、現在中国全国社会保障基金理事会の理事長を務める楼氏は26日に行われた企業の発展をテーマとするシンポジウムで、中国金融市場の混乱ぶりを批判した。
「中国の金融環境は緩和的だが、資金調達コストが逆に高くなっている。銀行融資や証券のほか、各種の金融派生商品が次々と発行されている。また、ねずみ講から個人間での金融仲介サービス『P2P』市場まで現れ、中国の資金調達市場は非常に複雑化している。この結果、資金調達コストが上昇する一方で、実体経済で経営難がもたらされている」と指摘した。
「10年前の米国金融市場と比べても、現在中国金融市場の方がより混乱している」「中国で金融危機発生の確率が相当高い」と楼氏が発言した。
また、楼氏は過去数年間の経済成長の鈍化は、当局の信用拡大政策が功を奏しなかったことが反映されたとの見方を示した。
楼氏は13〜16年まで財政部部長を務めていた。
米中科学技術交流文化センター(本部米ニューヨーク)の責任者・謝家葉博士は米メディア「ラジオ・フリーアジア」の取材に対し、中国金融システムはまだ不完全だと指摘した。現在債務問題も深刻化しているため、中国で金融危機が発生すれば、その後の経済的打撃と混乱は、08年世界金融危機より深刻だと警告した。
(翻訳編集・張哲)
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