中国共産党は10月28日、党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)を開幕した。中国政府系メディアによると、「国家統治の現代化」が今回の主要テーマの1つだ。これについて、専門家は全体主義の強化を目的とした思想だと指摘した。
報道によると、国家統治の現代化は、これまでの「4つの近代化」、つまり「農業の近代化、工業の近代化、科学技術の近代化および国防の近代化」という主要政策目標に加えられ、今後「5つの近代化」の実現を目指すという。習氏は2014年2月に行った演説で、「国家統治システムと統治能力の現代化を推進する」ことに初めて言及した。
この主張について、海外の中国人学者は相次いで批判した。
時事評論家の魯難氏は28日、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の番組で、「過去の毛沢東時代と鄧小平時代に、中国当局は4つの近代化を党の最重要課題に掲げた。習氏が5つ目の近代化を取り上げたのは、自身を毛沢東や鄧小平と肩を並べたい思いがあったからだ」と分析した。
「習氏が5年前に提起したこの『5つ目の近代化』は時代遅れの思想に過ぎない。2014年以来、中国当局は改革を進めなかったうえ、民営企業への締め付けを強化した」
在米中国人民主化活動家の魏京生氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「国家統治の現代化」によって中国共産党政権の独裁統治が強化されるとの見方を示した。
魏氏は1978年、初めて「5つ目の近代化」を提案した。同氏は当時、北京市西単付近の壁に壁新聞を張りだし、中国当局に対して「民主化」を5つ目の近代化にするよう呼び掛けた。
同氏は、近年、中国当局は一党独裁体制を維持するために、すでに現代のハイテク技術を用いていると指摘した。「全国民への監視強化、社会信用システムの導入などはその適例だ。当局が主張するこの現代化は、われわれが求める『民主主義という現代化』とかけ離れている。実際に、現代化した技術や方法で共産党の統治を持続させることが当局の目的だ。つまり、全体主義の現代化だ」
(翻訳編集・張哲)
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