シアトル市警によると、極左の活動家やアンティファなどのグループがコントロールしているシアトル内の地区で、銃を持った人たちが、地区に入ろうとする人の身分証を確認しているという。
デアナ・ノレット署長補佐は6月10日、「抗議者らがバリケードを設置し、武装した人たちが地区の検問所として使っていると、住民から話を聞いています」と記者団に語った。
「憲法では武器を所持する権利が保障されており、ワシントン州は銃を隠さずに持ち歩くことが許されていますが、こうした武器を使って地域住民を脅迫する法的権利はありません」
シアトル市警はまた、店舗や住民が運営費を支払うよう求められていることも聞いている。約500戸の住宅があるこの地区は、「キャピトルヒル自治区」と呼ばれている。それは恐喝の罪になるだろうとノレット氏は話す。
脅迫、怖がらせ、ゆすりなどの被害を受けた人は誰でも警察に連絡すべきだと彼女は付け加えた。
シアトル市警東署を焼き払うという脅迫を受けて、警官らが警察署を放棄した後に、この地区は乗っ取られた。
警察署の建物はアパートや店舗とつながっているため、警官らは移動する前に警察署をボードで封鎖して保護することにした。
ノレット氏によると、シアトル市警は、周辺地域の反応時間と能力を向上させるため、東署で通常の業務に復帰したいと考えている。しかし、どのように復帰するかについてはまだ決まった計画はないという。
バリケードを設置したり、一部の人の立ち入りを禁止したりすることは違法であるとノレット氏は続けた。「しかし、協力・連携を図り、平和的に物事を進めるために、市民や店舗に不当な影響を与えずに解決策を見出すための対話が必要です」と、彼女は話した。
ビデオ映像には、自治区内で起きている暴行やその他の犯罪が映っており、その中には、地元のラッパーであるラズ・シモーヌ氏が撮影した、屋外の壁に落書きをしたとして暴行を受ける男性の映像も含まれている。
乗っ取りの一員だと自称するグループには、「アメリカのシアトル民主社会主義者 (Seattle Democratic Socialists of America)」 や、暴力を支持する極左グループの「アンティファ (Antifa)」 などがある。
グループの要求項目は多岐にわたり、シアトル警察署の廃止、「政策的暴力の犠牲者」に対する賠償金、暴力犯罪で現在投獄されているすべての少数派人種の再審などが含まれている。
エポック・メディア・グループのNTDテレビの記者が見たバリケードには、「公共安全とは、路上に警官がいないことだ」と書かれていた。
シアトル市警東署の建物入口の看板には、「シアトル人民署(Seattle People Department)」と書かれていた。
シアトル警察のカルメン・ベスト署長は6月9日、シモーヌ氏を含む占拠者の一部と面会した。
地元メディアの報道では、「シアトル警察を支持していると言う人もいましたが、今週になって彼らは希望を失い、怒っていました」とシモーヌ氏はベスト署長に語ったという。「あなたたちが望む対話の多くは、住民との対話になると思います」
ベスト署長は「あなたは正しいと思います。実際に近所を回って、住民の方々に感想や見たことを聞いてみます。住民たちは多くの面でトラウマを抱えていると思います」と話した。
6月10日の別の記者会見で自治区について聞かれたワシントン州のジェイ・インスリー知事(民主党)は記者に「それは初耳だから、コメントは控えておきます」と言った。
しかし、ここで起きていることは全国的な注目を集めている。
共和党員のドナルド・トランプ大統領は、インスリー知事とシアトルのジェニー・ダーカン市長に対し、「われわれの偉大な国がかつて経験したことのないレベルで嘲笑され、弄ばれています」と話した。
「今すぐあなたの町を取り戻しなさい。あなたがそうしないなら、私がします。これはゲームではありません。これらの醜い無政府主義者たちを直ちに止めなければいけません。今すぐ行動しなさい!」とトランプ大統領はTwitterに書き込んだ。
インスリー知事はトランプ氏に対し、「完全に統治能力のない人はワシントン州の仕事には手を出さないでください」と述べた。
「皆の安全のために、(ホワイトハウスにある)バンカーに戻ってください」とダーカン市長(民主党)は付け加えた。
トランプ氏は後のツイートで、「国内のテロリストがシアトルを占領した。もちろん急進左派民主党の人たちに支配されている。法と秩序を!」と述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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