米国の民主党副大統領候補に選出されているカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏の夫であるダグラス・エンホフ(Douglas Emhoff)氏がパートナー(弁護士)契約を結ぶ世界的な国際法律事務所DLAパイパーは中国企業と緊密な関係にあり、元共産党幹部を雇用していた。米メディア、ナショナル・プラスは9月5日報じた。
エンホフ氏は、多国籍法律事務所のDLAパイパーと2017年から知的財産・技術部門のパートナー契約をしている。現在は「休職中」だというが、DLAパイパーとの契約は継続している。副大統領候補の家族であり、利益相反にあたる可能性もある。
DLAパイパーは、中国で30年近くビジネスを展開しており、中国投資コンサルティング部門に140人の弁護士を配属している。また、中国事業推進のために中国共産党幹部も雇用している。中国の「中央政府および地方当局との連携が必要」だと説明している。
DLAパイパーの紹介によると、訴訟・規制部門の責任者および国際仲裁部門の共同責任者を務めるErnest Yang(楊大明)氏は、2013年に中国人民政治協商会議の代表として任命されている。中国人民政治協商会議は国政助言機関である。楊氏は、2019年に同会議の常務委員会に昇格した。
DLAパイパーのJessica Zhao(趙菁)上級顧問は、中国国際経済貿易仲裁委員会の事務局次長を務めたことがある。
他にも、DLAパイパーの共同経営者であるGloria Liu(劉果萊)氏は、TikTokの親会社である北京字節跳動科技(バイトダンス)にも投資していた。
ロイター通信などによると、米トランプ政権はTikTokの情報安全の問題を強く懸念し、バイトダンスから切り離す計画を進めている。
DLAパイパーは、同じく国家安全上の脅威と見なされているウィーチャットを提供するテンセントとも、業務提携している。中国の食品宅配アプリ「ミス・フレッシュ」と2億3000万ドルの契約を結んでいる。
DLAパイパーは、中国国務院の直接監督下にある国有企業、招商局集団に対して、25億ドルの技術取引に関するアドバイスを提供した。招商局集団は、中国の広域経済圏構想「一帯一路」を牽引する重要企業である。
他にも、中国最大級の国有不良債権管理会社の子会社である華融投資や、国有の鉱山・精錬会社である中国黄金集団とも契約を結んでいる。
保守系米政治組織「米国人には限定された政府を」代表リック・マニング氏は、カマラ・ハリス氏の夫の中国企業との関係について、公開質問を行った。
「DLAパイパーは、 中国の医薬品サプライチェーンを支えたり、安全でない中国投資に米国人の年金など個人投資を推奨している」
マニング氏は、米国の主要な貿易問題の一つが中国の知的財産権の盗用であることを前置きして、「中国共産党による米国の特許を侵害するのを支援しているとしたら、混乱を招くことだ」とした。また、ハリス氏は夫の中国関係ビジネスの詳細を開示するべきだと主張している。
(翻訳編集・佐渡道世)
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