米国務省は12月10日、腐敗と人権侵害に関わった外国政府の現職と前職の高官17人に制裁を科すと発表した。国際腐敗防止デーと世界人権デーに合わせて、「2020年度国務省対外作戦および関連プログラム歳出法」の第7031条(c)に基づいた措置だ。17人のうち、中国伝統気功グループ、法輪功の学習者に対する中国当局の弾圧政策に関与したとして、福建省厦門市警察梧村派出所の黄元雄(Huang Yuanxiong)所長が含まれている。
国務省は声明で、17人とその家族は今後、米国入国を禁止するとした。
黄元雄所長について、声明は「厦門での人権侵害に関与し、信念を実践する法輪功学習者の拘禁と拷問に関わった」「深刻な信仰の自由の侵害に相当する」と制裁の理由を述べた。
声明は「思想、良心、信仰、または信念の自由に対する国際社会に求められた権利の侵害を含めて、中国当局が中国の人々に対して、残酷でシステム的な虐待を行ってきたことを、世界は無視してはいけない」と示した。
ポンペオ国務長官は12月3日に国務院で、中国国内で弾圧を受けている複数の団体の代表と面会した。在米の法輪功学習者、林暁旭氏は法輪功団体の代表として参加した。
林氏は、3日の面会で「直接ポンペオ国務長官に感謝の意を伝えた」と話した。中国当局が1999年に法輪功の弾圧政策を始めてから、ポンペオ氏は、初めて公に迫害を非難した米国務長官だ。
林氏によると、ポンペオ長官は、中国当局による法輪功学習者への強制臓器収奪に強い関心を示した。ロバート・デストロ国務次官補は、この問題の対応措置を検討しているという。
一方、黄元雄氏のほかに、中国人の尹国駒氏も指名された。国務省は、尹氏は中国最大の犯罪組織の1つ、「14K Triad(三合会)」のリーダーで、麻薬密売、違法賭博、人身売買の犯罪活動に従事し、賄賂、汚職、国家資産の不正流用などに関与したと指摘した。同氏は中国政府の諮問機関である人民政治協商会議メンバーでもある。
国務省はまた、エルサルバドルでスパイン人のベゴーニャ・ガルシア・デ・アランディゴイエン(Begoña García de Arandigoyen)氏を殺害したことが人権の重大な侵害に相当するとして、同国政府高官のホセ・アントニオ・アルメンダリス・リバス(José Antonio Almendáriz Rivas)氏に制裁を科すと決めた。人権侵害の加害者として、ハイチやジャマイカなどの警察当局の官僚も制裁の対象となった。
また、汚職・腐敗行為に関わったとして、キルギスの元税務高官のライムベク・マトライモフ(Raimbek Matraimov)氏が制裁対象リストに入れられた。
(翻訳編集・張哲)
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