中国 補助金も届かず生活再建のめど立たず

「家を失い 避難所まで追い出された」中国・広西の洪水被災者

2026/07/26 更新: 2026/07/26

中国・広西自治区で相次いだダム決壊による大洪水から約20日。家を失った被災者は避難所を追われ、約束された補助金も届かないまま、厳しい生活を強いられている。

被害が最も大きかった独田村では、多くの家が流され、田畑も土砂に埋まり、生活の基盤そのものが失われた。

本紙の取材に応じた被災者の張さんは、大雨が続いたため自らダムの水位を確認。水があふれ始めたのを見て、家族3人で電動バイクに乗り、間一髪で避難した。

洪水が引いた後、目の前に広がっていたのは変わり果てた自宅跡だった。家は跡形もなく流され、土台さえ残っていなかったという。「二世代かけて築いたものが、一夜でなくなった」と肩を落とした。

10年前に建てた家は、今年ようやく内装が完成し、新築祝いを開く予定だったという。「言葉では言い表せない。何度も人知れず泣いた」と当時を振り返った。

苦しみは、それで終わらなかった。

災害直後は学校を避難所として開放していたが、「新学期が始まる」という理由で閉鎖し、被災者たちは自力で住む場所を探すよう求められた。

一家は知人宅の一室を借りて暮らしている。家賃や光熱費も自分たちで負担しなければならず、生活再建の見通しは立っていない。

政府は1世帯あたり毎月300元(約7千円)の補助を約束したが、「まだ一度も振り込まれていない」という。

「貯金は20万円もない。このお金がいつまで持つのか分からない」

一方、食料や現金を届けてくれたのは、各地から駆け付けた民間の支援者だった。

「助けてくれた人たちには本当に感謝している。でも、政府の対応には心が冷えた」

そして最後に、こう漏らした。

「命は助かった。でも、この先どう生きていけばいいのか分からない」

濁流は家も畑も奪った。そして今も、多くの被災者は住む場所も仕事も失ったまま、生活再建の希望を見いだせずにいる。

中国当局は広西の災害復旧支援として計2億元(約48億円)の予算を計上したと発表している。一方、中国政府はアフリカへの支援として3600億元(約8兆7千億円)の資金提供を表明している。

この大きな差に、中国のSNSでは「外国には3600億元も出せるのに、自国の被災地への支援は2億元だけか」「被災者を救う気があるとは思えない」と怒りの声が相次いだ。

 

(広西の大洪水)

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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