中国のネット上ではこのほど、国有企業航空会社、東方航空の女性客室乗務員(CA)が上司の指示で性的賄賂を行ったとの疑惑が浮上し、注目を集めた。東方航空はメディアや情報提供者に対し、関連記事やネット上での投稿を削除するよう要求した。
この性的スキャンダルを最初に報道した中国セルフメディア「今日質疑」20日付は、同CAと賄賂対象の男性のチャットメッセージをスクリーンショットして掲載した。この「露骨な」会話内容によると、東方航空江蘇支社の上級幹部である田氏が、CAの倪氏に、同社の仇氏という男性に性的接待を行うよう指示した。これを受けて、倪氏は自ら男性に連絡をとった。
また、情報提供者が中国版ツイッター、微博(ウェイボー)への投稿によると、倪氏は、東方航空で「労働模範」と表彰されたことがあり、共産党員であるという。情報提供者は、田氏は、同社江蘇支社の党委員会書記兼副社長の田洪氏と示唆した。
情報提供者は、東方航空がこの性的スキャンダルを、直ちに適切に対応せず、逆にネット上の書き込みの削除を強要していると非難した。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)は22日、事情を知る人物を取材した。情報筋によれば、倪氏は東方航空の客室サービス6部の党支部書記を務める。
また、セルフメディア「今日質疑」の責任者、陳軍氏もRFAのインタビューを受けた。陳氏は、同性的賄賂について報道した後、「東方航空江蘇支社の担当者から電話で連絡があった。記事の削除を要求された。担当者は、記事を削除しなければ、『今日質疑』の運営ができなくなると脅迫した」と話した。さらに、東方航空は陳氏の地元である江蘇省泰州市政府の人脈を駆使して、同氏に圧力をかけたという。
陳軍氏は、「東方航空のあの担当者は、この性的スキャンダルによる社会的影響が大きすぎると言った。彼はこのスキャンダルを否定しなかった」と述べた。
一方、ジャーナリストの楊氏は、性的賄賂を受けた男性は、東方航空上海本社の上級幹部、または(政府機関の)民用航空局の幹部の可能性があると推測した。「今の中国では、東方航空のケースは氷山の一角だ。このような性賄賂、性接待は毎日起きている」とRFAに語った。
CAの倪氏は21日、SNSの微信(ウィーチャット)での会話内容はねつ造されたものだとして、上海市警察当局に被害届を出した。
中国紙・界面新聞22日付などによると、東方航空の広報担当者は「今回の出来事は社員の個人的な問題で、業務への影響についてさらに検証する必要がある」と強調した。
東方航空江蘇支社はRFAの取材を拒否した。上海市警察当局はコメントを差し控えたという。
(翻訳編集・張哲)
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