米海軍のミサイル駆逐艦ベンフォールドは12日、南シナ海の西沙諸島(英語名、パラセル諸島)の付近海域で「航行の自由作戦(FONOP)」を実施した。中国当局の非難を受けて、米海軍第7艦隊は声明で、国際法に従った行動であると反論し、西沙諸島周辺での航行の自由と権利を主張した。
5年前の7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は南シナ海の領有権をめぐって、中国側の主張を退ける判決を下した。米国のブリンケン国務長官は11日、判決から5周年を迎える前に声明を発表し、中国当局は現在も仲裁裁判所の判決を拒否していると非難した。声明は、中国当局に対して「国際法上の義務を順守し、挑発的な行為をやめ、国際社会に中国がルールに基づく海洋秩序を守ることをコミットメントし、すべての国の権利を尊重するよう」求めた。
いっぽう、中国軍南方戦区の報道官は12日、米海軍が西沙諸島の付近海域でFONOPを実施したことを抗議し、「米国が航行の覇権を争い、南シナ海で軍事化を拡大していることを証明した新たな証拠だ」とした。さらに、米軍を領海外に退去させたと述べた。
また、中国外務省の趙立堅報道官は、ハーグの仲裁裁判所の判決は「紙くず」と呼び、「国際法を乱用し、南シナ海における挑発行為をやめるよう」米側に要求した。
米海軍第7艦隊は同日、ホームページ上で声明を掲載し、中国当局に反論した。
声明は、中国側の批判は「誤っている」とした。
「ミサイル駆逐艦ベンフォールドは、国際法に基づいてFONOPを実施した。今後も国際水域で通常のオペレーションを行い続ける。この作戦は航行の自由と海洋の合法的な利用を原則として守る、われわれのコミットメントを反映した」
声明は「中国側が何を言おうと、われわれを阻止することはできない」と強調した。
(翻訳編集・張哲)
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