中国外務省の公表によると、このほど中国人留学生が米国に入国する際、中国軍と繋がりがある疑いで入国を拒否された。外務省の汪文斌報道官は30日の記者会見で明らかにした。
報道官によれば、水際送還されたのは今月15日、米テキサス州ヒューストンの国際空港から入国しようとした3人の中国人学生。米国の入国管理局職員は3人が中国政府の資金援助を受けていることや、個人用スマートフォンの中に軍事訓練の写真が保存されていることを指摘した。3人は中国軍と繋がりを持つ可能性があり、「米国の国家安全に危害を与える」恐れがあるとして中国に送還された。
米トランプ前政権は昨年、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大や中国人留学生によるスパイ活動を防ぐために、学生ビザ(Fビザ)の交付を一時停止した。米国務省のビザ交付情報によれば、2020年5月と6月の学生ビザ交付件数が最も少ない。この2カ月の間、学生ビザを取得した中国人学生はそれぞれ7人と8人だった。
今年1月に発足したバイデン政権は国内感染者の減少を受けて、5月以降、中国人学生向けのビザ発給を再開した。国務省のデータでは、5~7月までの3カ月において、中国大陸の申請者に発給した学生ビザ件数はそれぞれ2万3066件、3万3896件と2万1163件となった。中共ウイルスが大流行した前年の2019年同期の水準にほぼ戻ったことがわかった。
香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト24日付は、中国国内の教育関係者の話を引用して、米国へ留学するためのビザ取得手続きが「正常化した」としても、ハイテク・戦略分野において中国人大学院生は依然としてビザ取得が困難であると報じた。
いっぽう、中国の大学などには、新入生は一定の期間で軍事訓練を受けなければならない規定がある。軍事訓練を受けても必ず軍と繋がりがあるとは限らないが、3人の入国拒否は、米政府が中国人留学生の受け入れに神経をとがらせていることを浮き彫りにした。
(翻訳編集・張哲)
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