中国における大規模な電力制限は、中国進出の日系企業にも波及している。ジェトロは15日、この状況を受け、山東省内の日本企業56社からの申し立てをまとめた書簡を山東省側に提出した。
ジェトロによると、山東省における電力制限は中国の中秋節(9月19〜21日)前後から始めた。最初は不定期に発生していたが、10月1〜7日の大型連休後も続いている。
複数の省内の地方政府は電力制限についての通達を出している。省府の済南市は9月26日、石炭の供給不足や発電所の故障により、山東省内の多くの地区は電力不足の問題に直面しているとし、節電を呼びかけている。
ジェトロによると、山東省にある日系企業は「一週間ほど前の事前通知」、「常時通電が必要な企業に対する配慮」、「生産操業への影響を最小限にする」などを当局に求めている。
ジェトロに意見を寄せた56社のなか、最も多いのは青島市で32社、煙台市、済寧市、威海市と続く。
13日、中国国家エネルギー局の余兵(よ・へい)副局長は「10月に入ってから、電力不足の問題が多少緩和されている」と述べ、電力の安定供給に向けた取り組みを発表した。
しかし、ドイチェ・ヴェレによると、中国の電力不足の危機が続く中、遼寧省、黒龍江省、吉林省では電力供給制限が一層厳しくなっている。一部の工場では操業停止などを行っているほか、一部の中小企業ではディーゼル発電機に切り替えているという。
(蘇文悦)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。