中国電子商取引最大手のアリババ集団はこのほど、上司や顧客から性暴行を受けたと告発した女性社員を「虚偽の言論を広めた」として解雇した。
女性は中国河南省の地元紙・大河報(9日付)に対して、11月25日にアリババ集団側から解雇通知が届いたと話した。同社は、女性の告発が「不当で事実無根」だとし、「会社に悪影響をもたらした」と説明した。
女性は8月末、社内向けのネット掲示板で告発文を掲載した。それによると、7月末に山東省へ出張した際、男性上司と取引先の男性社員からわいせつ行為や性暴行を受けた。女性は会社側に訴えたが、相手にされなかったため、ネット掲示板で告発することにした。
アリババ集団は女性の告発を受け、8月9日、複数の関係者を処分し、上司を解雇した。取引先の会社も、男性社員を懲戒免職にした。
山東省済南市警察当局は男性社員を強制わいせつ罪の容疑で正式に逮捕したが、男性上司について「犯罪行為に当たらない」と結論づけた。
中国の元人権派弁護士、倪玉蘭氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューで、「中国の女性が職場でセクハラ被害に遭うことはよくある。被害を受けても、ほとんどの女性は泣き寝入りする」と語った。
被害者の女性は、アリババ集団が、同事件によってもたらされた「悪影響」の原因が自身にあると認識したのは「理不尽」で、解雇は不当であり、今後は法的措置を講じると示した。
(翻訳編集・張哲)
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