中国の人権派弁護士である唐吉田氏は数日前から行方不明になっている。唐氏はかつて多くの人権課題を請け負ったことで、中国当局から弁護士資格を剥奪され、10年以上にわたる出国禁止令が出ている。
唐氏は12月10日に駐中国EU代表事務所が主催する「国際人権デー」行事に出席する予定だった。開始時刻の数時間前に「安心できない」と知人に電話で伝えて以後、連絡が取れなくなっている。
大紀元の取材に答えた関係者によると、唐氏の妹が依頼した弁護士は17日、北京第一留置所と朝陽区留置所を訪れ拘束者の名簿を確認したが、唐氏の所在は判明しなかったという。
唐氏は長年、中国共産党当局から弾圧を受けてきた。大紀元記者は張家湾警察局を尋ねたが「唐氏の親族の通報でしか(行方不明の届出を)受理しない」と返された。当局は確認後に唐氏の家族や弁護士に伝えると述べたが、いつ連絡が受け取れるのかはわからない。
今年5月初旬、日本に留学している唐氏の娘が肺結核を患い入院したため、唐氏は出国許可を当局に申請した。唐氏は早急な手続きを求めているが、北京当局は「検討中」としている。また、唐氏は6月に福州空港から出国しようとしたが「国家の安全を脅かす」恐れがあるとの理由で止められたという。
迫害を受けてきた著名な人権派弁護士
唐氏は中国の著名な人権派弁護士で、長年にわたり、土地収用の被害者、法輪功学習者、言論の自由、市民的・政治的権利、その他の弱者の権利を守るために活動してきた。過去数回にわたり非合法的に拘留された。2010年、唐氏は北京市司法局から「裁判所の規律を乱した」との理由で、弁護士資格を剥奪された。
2014年3月下旬、唐氏をはじめとする4人の人権派弁護士は家族の代わりに行方不明の法輪功学習者を探すため、黒竜江省建三江青龍山農場にある「洗脳教育クラス」を尋ねた。
法輪功弾圧の延長として、共産党は学習者を擁護する弁護士も弾圧する。4人の弁護士は拉致されて拷問を受けた。唐氏は殴られて肋骨10本と歯が折られ、腰椎結核と診断された。
2016年には、同氏は交通事故に巻き込まれ、複数箇所骨折した。しかし、事故を通報しても警察は立件せず、交通警察も「カメラが壊れている」と述べ、捜査は行われなかった。
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