海底火山の噴火による津波に見舞われた南太平洋の島嶼国トンガは18日、現地情報などを災害後初めて伝えた。それによると津波は高さ15メートルに及び、島々に押し寄せたという。また、噴煙は成層圏まで達してトンガ全島を覆った。
15日に発生した火山島フンガトンガ・フンガハアパイの噴火で海底ケーブルが損傷し、トンガでは国内外の通信が困難になった。このため、オーストラリアの在トンガ高等弁務官事務所が代理でトンガ政府の声明を公表した。
津波によりマンゴ島の全住宅が倒壊し、フォノイフア島は2軒を除く多くの住宅が倒壊した。両島で暮らしていた数十人は政府の指示によって近隣のノムカ島へ避難した。ノムカ島も甚大な被害が報告されたという。
発表によると、「火山灰による水への汚染が甚大で、政府は安全な飲料水の確保に動いている」という。政府は被害調査中で、災害対応の国家緊急事態管理委員会を毎日開いている。
16日時点で英国人女性を含む3人の死亡が確認されたが、引き続き行方不明者の捜索が続いている。噴火の翌日から、医療チームと救援物資を載せたトンガ軍艦艇が各島に派遣されている。
輸送網では、海上および航空輸送も埠頭の損傷や滑走路への降灰や浸水により上陸が困難となっている。飛行機の発着は空港整備が終わるまで延期とされる。そのほか、火山活動が大幅に低下し現地では津波警報は解除されたが、観測は継続しているという。
トンガ政府からの支援要請を受け、日本は早期支援の実施を表明している。松野博一官房長官は18日の記者会見で「速やかに支援を供与できるようトンガ政府と調整する」と述べた。
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