中共軍機が再び台湾周辺における動きを活発化させていることについて、台湾の王定宇・立法委員(国会議員に相当)は25日、ウクライナの緊迫した情勢に乗じて台湾を侵攻すれば「最終的に痛い目に遭うのは中国だ」と述べた。
23日から24日にかけて、計52機の中国共産党の軍用機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。多数の軍用機がADIZに侵入するのは149機が飛行した昨年10月以来だ。戦闘機や爆撃機に加え、中国にとって最新鋭の「殲16D型(J16D)」電子戦機も隊列に加わった。
ロシアは10万以上の兵力をウクライナとの国境付近に集結させており、強硬な姿勢を崩していない。欧米諸国の注意力と軍事力が東欧に向くなか、中国共産党が台湾に武力侵攻するのではないかとの説は一部メディアで報じられている。
仏新聞ル・フィガロは20日、「中国は一つの目を台湾に、もう一つの目をウクライナ情勢に向けている」と報道。中国の習近平国家主席が、米バイデン大統領とロシアのプーチン大統領とのウクライナ危機対応を注視していると伝えた。
立法委員の王定宇氏はフェイスブックに投稿した動画のなかで、中国共産党が武力を辞さず台湾統一を企ていることは周知の通りとしたうえで「問題は中共軍がすでに準備を整えたかどうか、そして国際社会が中共軍の侵攻をどこまで抑止できるかだ」と語った。
現在、米軍は西太平洋に3隻の空母と2隻の強襲揚陸艦を展開している。このうち「カール・ヴィンソン」と「エイブラハム・リンカーン」の空母打撃群はフィリピン海での演習を終え、南シナ海で航行している。広い飛行甲板を持つ強襲揚陸艦もF35ステルス戦闘機の発着艦を行うことができる。
王定宇氏は、米軍が台湾周辺に「中規模の戦争の勝敗を決定しうる」規模の軍事力を配備しており、圧倒的な優勢に立つことができると指摘。米国の同盟である日本とオーストラリアが中国共産党の拡張を警戒するなか、党は情勢を誤認すべきではないと述べた。
「もし中国共産党がウクライナの緊迫した情勢に乗じて台湾海峡で戦争を始めれば、その誤った判断によって最終的に痛い目に遭うのは中国だ」と王氏は主張した。
「台湾は台湾人が守る」。王定宇氏は、台湾は常に中国共産党の動向に目を見張っており、絶えず自衛力を強化し、決心を固めていることを明らかにした。
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