中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染が急拡大している上海市では、市防疫政策の専門家チームの責任者で、感染症の著名専門家である張文宏医師がここ数日、記者会見に姿を見せていない。ウイルスとの共存を主張する張氏はチームから外されたとの見方が強まった。
3月31の会見には、上海市党委員会の馬春雷副秘書長、市衛生健康委員会の鄔惊雷主任、市防疫領導小組専門家チームのメンバーで復旦大学上海医学院の呉凡副院長らが出席した。張文宏医師は同月26日以降、会見に出席していない。
張医師は25日まで、「上海市新型コロナウイルス感染症医療救治専門家チーム長」との肩書きで会見に臨んでいた。
いっぽう、市衛生当局トップの鄔驚雷主任は28日、初めて「市防疫領導小組医療救治チーム長」として記者団の前に現れた。
中国問題専門家の横河氏は30日、大紀元の時事番組「横河観点」で、張文宏医師の上海市防疫対策チームでのポストは鄔驚雷氏に取って代わられた可能性が高いと指摘した。
鄔氏は心血管疾患を専門とする小児科医だった。病院務めを経て上海市医療部門の幹部となり、市衛生局の党委員会副書記などの職務にも就任したことがある。
張医師が専門家チームから外された可能性があることから、「上海市の防疫政策は政治的任務であることが浮き彫りになった」と横氏は述べた。
中国の習近平国家主席は17日に開催した共産党中央政治局常務委員会の会議で、ゼロコロナ政策を堅持すると強調した。
横河氏は、上海市の防疫方針は今までの「焦点を絞り、正確に防止し制御する」という独自のやり方から転換するとの認識を示した。「上海市も例外なく、他の地方と同様に、党の指導下で厳しいゼロコロナ政策を実行していくだろう」
張医師は昨年7月、SNS上で中共ウイルスとの共存を提案した。これを受けて、衛生部(省)の元トップらは官製メディアに寄稿し、張氏を痛烈に批判した。
中国通信業界情報サイト「飛象網」創業者の項立剛氏は、中共ウイルス発生以来、中国国内で「2つのイデオロギー路線が戦っている」と話した。1つは科学的かつ正確にゼロコロナ政策を堅持する路線である。もう1つは、資本主義に追随する路線だという。
項氏は過去に国営中央テレビ(CCTV)の報道番組「新聞聯播」を見ない中国人は「劣等国民」と発言したことで波紋を呼んだ。
上海市衛生当局は31日、30日に355人の感染者と5298人の無症状感染者が新たに確認されたと公表。
(翻訳編集・張哲)
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