林芳正外相は7日、日本の外相として初めて北大西洋条約機構(NATO)外相会合のパートナーセッションに出席した。会合のなかで「欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離して論じることはできない」との考えを共有したという。NATOのストルテンベルグ事務総長がアジア太平洋のパートナーとの関係強化の姿勢を示したことに歓迎の意を表した。
ブリュッセルで開かれたNATO外相会合の出席について「アジア太平洋のパートナーの出席は、国際社会に対して連帯を明確に示す力強いメッセージ」となるとした。また、基本的価値を共有する同志国間での連携を強化していくことで一致した。この会合には日本のほか太平洋地域からオーストラリア、韓国、ニュージーランドが出席している。
林氏は会合で、中国はロシアによるウクライナ侵略を今なお非難していないと指摘した。ストルテンベルグ氏も同日の別の記者会見で、中国を例に挙げてロシアの侵略を間接、直接的に支持している国がいることは憂慮されるべき事態だと述べた。
林氏はブリンケン米国務長官と35分間の日米外相会談を行った。ロシアによるウクライナ侵攻のほか、東アジアにおいても「力による一方的な現状変更を容認しない」ために日米同盟の抑止力・対処力を強化していくことで一致した。中国をめぐる課題についても、日米で結束して対応することを確認したという。
このほか林氏はベルギー、欧州連合(EU)、カナダ、ジョージアの各外相と会談し、ウクライナ情勢への対応や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力について連携を確認した。
林氏は主要7か国(G7)外相会合にも出席。会合ではロシア軍によって行われた残虐行為を最も強い言葉で非難し、ウクライナへの更なる支援を行う用意があることを確認した。圧力を強化するため、更なる制裁を科していくことでも一致した。
国連総会でロシアの人権理事会理事国としての資格停止決議が採択されたことを受けて、「無辜の民間人の殺害など重大な国際人道法違反を行っているロシアのような国が、人権理事会理事国としてとどまるのは不適切である等の幅広い国々の強い意志を示すものであり、大きな意味がある」と述べた。
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