英国発の高級靴ブランド、マノロブラニク(Manolo Blahnik)がこのほど、中国で22年間に及ぶ商標権関連訴訟に勝訴したことがわかった。専門家は、商標権侵害を巡り外資企業が勝訴したのは極めて異例で、中国政府が外資企業を抱き込む策略の1つである可能性があると指摘した。
欧米メディアによると、中国最高人民法院(最高裁)は広州市にある靴メーカー、昭越鞋業有限公司と経営者の方宇舟氏に対し、「Manolo Blahnik」を含む商標登録を撤回するように、という判決を下した。
1990年末の米国のテレビドラマの影響で「マノロブラニク」は中国人の女性の間で人気が高まった。
方宇舟氏は1999年以降、「Manolo&Blahnik」で商標5件を登録した。これを受けてマノロブラニク側は中国の裁判所で訴訟を起こし、登録の撤回などを求めてきた。
近年、海外ブランドが中国市場に進出しているが、商標権を巡り中国企業との間でトラブルを抱えるケースが相次いでいる。また、訴訟では、中国企業が勝訴する事例が大半を占める。
2012年、フランスの高級ブランド「エルメス(HERMES)」は中国企業が商標権を侵害したとして訴訟を起こし、中国商標局に対して同企業が登録した「愛馬仕」(エルメスの中国語表記)の商標の承認を取り消すよう求めたが、敗訴となった。
19年、中国企業「北京無印良品」は商標権侵害で、生活雑貨店「無印良品」を展開する日本の良品計画を提訴した。北京市の地裁は同年12月、北京無印良品の主張を認め、良品計画に計62万6000元(約1280万円)の賠償を命じた。
時事評論家の唐青氏は大紀元に対し、「中国政府は今、景気悪化や失業者急増、欧米諸国との関係悪化など、内憂外患こもごも至っている。さらなる外資撤退を食い止めるために、中国側が今回マノロブラニクの訴えを認めたのではないか」との見方を示した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。