ウォーレン・バフェット氏など大物投資家はこのほど、中国企業の株を相次ぎ売却した。
南アフリカのインターネット大手ナスパーズ(Naspers)の子会社プロサス(Prosus N.V. オランダ本拠)は8日付けで声明を発表し、騰訊控股(テンセント)の111万余りの株を売却し、テンセント株保有比率を27.99%に下げると示した。
プロサスはまた、テンセント株約1億9200万株、76億ドル(約1兆1000億円)相当を7日時点で香港の中央清算決済システム(CCASS)に追加移管した。全テンセント株の約2%に相当する。
中国メディア「中国経済網」などによると、今年上半期にナスパーズがプロサスを通じて売却したテンセント株式は累計360万株。
2021年4月、プロサスがテンセント株約1億9200万株を放出した。ナスパーズのテンセント株保有比率は30.86%から28.86%に下がった。
テンセントは創業当時、資金難に陥り、ナスパーズの出資により危機を乗り越えたという。
いっぽう、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社、バークシャー・ハサウェイは、中国EV(電気自動車)大手の比亜迪(BYD)の保有株式を売却し続けている。
2日に香港証券取引所に提出された文書によると、バークシャー・ハサウェイは1日までに、BYD株171万6000株を追加売却した。平均売却価格は1株当たり262.72香港ドルで、売却総額は約4億5080万香港ドル(約82億円)保有比率が19.2%から18.87%に低下した。
同証券取引所の発表では、バークシャー・ハサウェイは8月24日にも、BYD株133万株を3億6900万香港ドル(約67億円)で売却した。
中国IT大手のアリババ集団の筆頭株主であるソフトバンク・グループ(SBG)は8月10日、資金調達のために一部のアリババ株を売却すると公表。これにより、アリババ株保有比率は6月時点の23.7%から14.6%に下がる。
ブルームバーグは、習近平政権による民間企業への規制強化、都市封鎖などの中国政府の厳しい感染対策による景気減速を背景に、海外大株主は中国トップ企業の先行きを強く不安視しているとの見方を示した。
中国IT大手のテンセントやEV大手のBYDなどの外国人大株主はこのほど、次々と保有株を売却した。
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