カナダ政府は1日、住宅価格の上昇を招く不公正な慣行を阻止するため、外国人が投資目的で不動産を購入することを禁止する新法を施行した。中国などの投資家の住宅買収により、カナダでは住宅価格が高騰している。
カナダ政府は2022年度予算案に住宅購入に関する措置を盛り込んだ。住宅市場における競争の平準化を図るべく2025年まで外国人が不動産を購入することを禁止するほか、新築および大幅に改装した住宅の譲渡販売への課税などが含まれる。
禁止令に違反した場合は、罰金刑や不動産の売却を要求される可能性があるという。
カナダでは昨年2月の住宅平均価格が81万カナダドル(約8000万円)まで上昇するなど、若年世代の住宅購入が難しくなっている。ブリティッシュ・コロンビア州政府は、すでに大都市圏を対象とした20%の外国人購入者税を導入、オンタリオ州でも25%の課税を行なっている。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に答えたバンクーバーのサイモン・フレーザー大学の都市計画家アンディ・ヤン氏は「住宅に対するインフレは、カナダ人にとって非常にネガティブな効果をもたらしている」と指摘。
ブリティッシュコロンビア州不動産協会のブレンドン・オグムンドソン氏も、外国人投資家により住宅供給不足が起きており「アジア圏、主に中国の投資家に対する批判は高まっている」と述べた。
外国企業や個人を対象に不動産購入を阻止する動きは、米国でも活発化している。国家安全保障や食糧供給の安全性が脅かされるとして、トム・コットン上院議員やエリス・ステファニック下院議員など複数議員が、中国を念頭に土地買収を阻止する法案を発表している。
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