訪日中のオースティン米国防長官は1日、北朝鮮のミサイルと核計画が地域の安定を脅かしており、米国は自国と同盟国を保護するために必要な全ての措置を取ると言明した。「北朝鮮の危険で安定を脅かす核計画とミサイル計画は、この地域の平和と安定を脅かし、国際法を違反している」と強調した。
オースティン氏は、シンガポールで2日開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)出席のためアジアを訪れている。1日に東京を訪問し浜田靖一防衛相と会談した。
北朝鮮は5月31日、軍事偵察衛星を打ち上げた。国連や日米韓が非難を表明したが、国営朝鮮中央通信は2日、衛星を含む主権の行使を継続すると強調し、実験を継続する意向を明らかにした。
日米会談では昨今の中国課題についても言及した。オースティン氏は、中国が米国とその同盟国の航空機に対して「挑発的な妨害」を行っていることに深い懸念を表明し、予測不能な事態に陥りかねないと警告した。
米太平洋軍司令部は5月30日、中国の戦闘機殲撃十六型(J-16)が26日に南シナ海上空で「専門的ではない」方法で米国偵察機を妨害したと、証拠となるビデオを公開して指摘した。
オースティン氏は、強大な力を持つ米国と中国が危機を管理し、事態が制御不能になるのを防ぐために相互にコミュニケーションを取ることの重要性を強調した。
いっぽう、中国側はオースティン氏の米中国防相会合開催の呼びかけを拒んだ。
米側はシャングリラ会合に出席する中国の李尚福国務委員兼国防相との会談を探ってきたが、中国側が拒否した。中国国防部はのちの談話で「交流が困難な責任は全て米側にある。意思疎通したいと言いながら、人為的に障害を作り出した」と批判した。
オースティン氏は米中会談の不成立に触れ、「残念なことだと思うが、私たちはこの地域や他の地域で、価値観と目標を共有する国々と協力し、自由で開かれたインド太平洋地域の推進を続けることに注力する」と述べた。
日米防衛相会談では中国課題について議論された。浜田氏は共同会見で、現状を一方的に変えることは許容できないと強調した。両閣僚は、無人機に関する協力に加え、極超音速技術に対抗するための将来の技術の共同開発について議論を前進させることを確認した。
浜田氏はまた、日米同盟関係を深化し、中国を含む安全保障の挑戦に共同で対応する重要性を強調し「日本と米国はこれまで以上に協力を深めていくことになる」と述べた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。