暗闇に紛れてタイヤのバルブに砂利やレンズ豆を入れてパンクさせるーー。「気候変動」対策という名目でSUVのタイヤをパンクさせる「環境活動家」団体が、その活動範囲を18カ国に拡大したと明らかにした。
「タイヤ消し(Tyre Extinguishers)」と名乗る団体は1日、SUVのタイヤの空気を抜く活動を「ポルトガルのリスボンで初めて実施した」とウェブサイトで公表。これにより活動範囲は米国や英国、カナダ、オーストリアなど18カ国に拡大したと主張した。アジアの国は含まれていない。
英国を拠点とするこの団体は、気候変動は大型車の排気ガスが原因だと主張する。同団体は都市部へのSUVの乗り入れを禁止し、課税して廃車に追い込むこと、その代わりに無料の公共交通機関に多額の投資をすることを政府に求めている。政府が要求を実現するまでは「行動を続ける」とも明言している。
ウェブサイトでは、タイヤの空気を抜く方法のほか、活動家がSUVのフロントガラスに残していくパンフレットやステッカーも公開された。
「あなたの大型車で都市部をドライブすることで、他人に大きな影響を与える。政府や政治家が対処しないから、私たちは自分たちの手で行動を起こしている」などと記されている。
同団体が2022年3月に活動を開始して以降、被害にあったSUVは1万台以上に上る。昨年11月には一晩でニューヨークと欧州7カ国の900台のタイヤをパンクさせた。4月にはボストンの高級住宅街であるビーコン・ヒル地区にある43台のSUVが被害にあった。
一方で「大型で高級な」ガソリンエンジンのSUVのみを対象とし、「電気自動車やハイブリッド車、障がい者標識のある車のタイヤはパンクしない」としている。
近年では気候変動対策の必要性を訴える過激な抗議活動が相次ぐ。昨年10月にはオランダの画家ゴッホの代表作「ひまわり」にトマトスープをかけたとして環境活動家2人が器物損壊などの疑いで逮捕された。
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